被告を鑑定した2人の医師の証言が真っ向から対立 浜松市で親族3人が殺害された事件 静岡地裁浜松支部
2022年浜松市で親族3人が殺害された事件の裁判で、被告の解離性同一性障害が事件に与えた影響について、精神状態を鑑定した2人の医師の証言は真向から対立しました。 元警察官の被告(25)は、おととし3月自宅で祖父母と兄の頭部をハンマーなどで殴り、殺害した罪に問われています。 これまでの裁判で、被告は自分が持つとする「ボウイ」という名前の別人格が犯行に及んだと主張。 被告に解離性同一性障害があることに検察側と弁護側で争いはなく、最大の争点は「責任能力の有無」となっています。 22日は被告の精神状態を鑑定した2人の医師が証言に立ちました。 まず検察側の証人として出廷した医師は、犯行を行ったとする別人格の「ボウイ」について、「本人以外の誰でもなく、本人の思考に基づいて行動している」と指摘。 「解離性同一性障害の影響は、犯行の記憶を思い出しにくくさせるに留まり、 犯行の意思決定には関わっていない」と語りました。 一方、弁護側の証人として出廷した医師は「主人格は3人を殺害した記憶がなく、犯行は残忍な思考をもつボウイに交代して行われた」と指摘。 主人格はボウイの行動を統制することができなかったとして、「解離性同一性障害の著しい影響を受けていた」と証言しました。