ロードキル減少など報告 林道の車両規制効果検証 徳之島利用適正化連絡会議
世界自然遺産登録による観光客増加を見据えた徳之島利用適正化連絡会議が17日、徳之島町役場であった。環境省、鹿児島県、関係機関の関係者や集落代表など24人が出席。自然環境の保全や環境負荷軽減のために車両通行規制を実施している林道「山クビリ線」の利用状況が報告され、規制の効果や影響について検証した。 山クビリ線は集落有林や国有林に囲まれ、徳之島町が維持管理する林道。同林道では2019年7月から交通規制と利用ルールを適用し、モデルケースとして効果を検証している。事務局の報告によると、23年の同林道への入り込み台数は527台(日中434台、夜間93台)。月別では、日中の台数が最も多かったのは1月で63台、夜間は8月の16台が最多だった。 規制の効果では、1日当たりの平均入り込み台数が規制開始前は日中2・03台、夜間0・79台だったのに対し、規制後は日中1・03台、夜間0・31台に減少。また、国の特別天然記念物アマミノクロウサギのロードキル(交通事故死)が規制開始前は1年間で4件発生していたのに対し、規制後の4年間は1件(7月4日現在)にとどまっていることなどが報告された。 一方で、▽ゲートが設けられたことで住民の山林の活用が妨げられている▽夜間にエコツアーガイド以外に同林道を不正利用している者がいる―などの指摘も。不正利用に関しては「ゲートの鍵の管理体制を見直すべき」との意見が上がり、各機関が保有している鍵を一時回収する方針が示された。 同林道は今年6月の大雨で崖崩れや崩落が6カ所で発生し、現在は全面通行止めとなっている。エコツアーガイドの関係者からは「山クビリ線は島内有数のガイド適地。利用できるように早急に復旧してほしい」との要望も上がった。