南海トラフ想定の総合復旧訓練 名鉄、200人が参加
名古屋鉄道は13日、走行中の列車が南海トラフを震源とする巨大地震に被災した場合を想定した災害事故総合復旧訓練を、名鉄築港線の大江駅~東名古屋港駅間で実施した。高崎裕樹社長や担当役員をはじめ、駅や運転現場の係員、土木・車両・電気部門の係員など約80人のほか、見学者を含む約200人が訓練に参加した。 訓練は、被災列車に乗車している客の避難誘導や車両・施設の復旧作業の実践を通じ、情報収集方法や復旧作業手順、現場の指揮命令系統などの確認と、災害や事故復旧時の部署間協力体制の確立を目的に毎年実施している。 20回目となった今回は、走行中の列車が緊急地震速報・大津波警報を受けた場合の対応や、乗車している客の線路上への降車補助、列車の床下機器が一部浸水した場合の救援措置、線路・電気施設の復旧などの訓練を行った。 訓練後、高崎社長は参加者に対し、「近年は局地的な豪雨、台風が多く発生し、激甚化している。災害に対し常日頃から備えを行い、万全にして、最大の使命である安全・安定輸送の確保に努めなければならない」と強調。「名鉄グループはいろいろな事業をやっているが、鉄道事業の安定輸送があってこそ。引き続き安全に対する意識を高く持って、業務に取り組んでいただきたい」と呼びかけた。