「あれから6年。ボロボロの状態で、もう『野球をやめなさい』と…」元ソフトバンク・和田毅(43)が引退を考えた“きっかけ”〈妻と娘、王貞治の反応は…〉
プロ生活22年、日米通算165勝。元福岡ソフトバンクホークスの和田毅さん(43)が、今季をもって現役を引退した。1980年生まれの「松坂世代」最後の現役選手として活躍し続けた和田さんに、引退までの日々について聞いた。(全3回の1回目/ 続き を読む) 【写真】かっこよすぎ! スポーツ紙に「反町隆史似」と書かれた当時17歳の和田毅さんを見る ◆◆◆
引退を決意するまでの葛藤
――2024年11月5日、22年間の現役生活に終止符を打たれました。引退を決意するまでかなり悩まれましたか。 和田毅さん(以下、和田) 葛藤の日々でしたね。実は引退の2文字が頭に浮かび始めたのは、2018年に肩のケガをした時から。何とか1年半後に復帰したんですけど、その後もずっと万全の状態ではマウンドに上がれなかった。膝が痛かったり、首に激痛が走ったり……。それ以降は「今年ダメだったら引退しよう」と毎年考えていました。今年は、開幕投手に選んでいただいたので何とか身体を仕上げようと思っていたのですが、結局間に合わなかった。 膝がダメになっていましたね。直線を走ったり傾斜を使わないキャッチボールの時はそれほど痛みが出ないけど、マウンドのような傾斜のあるところから投げると、膝がちぎれそうな激痛に襲われるんです。首にも投げるたびに電流が走るようになり、坐骨神経痛も発症し、肩も痛くなってきていて。この箇所だけ治せばいいという問題ではなくなってきたので、メンタル的にきつかったですね。 体がボロボロの状態で、これはもう「野球を辞めなさい」とサインが出ていると考え、マウンドから降りる決断をしました。7月中旬頃ですね。妻にも「今年でやめることになると思うわ」と伝えました。球団に報告したのは9月です。
「パパ、今年でやめるわ」妻と娘の反応は…
――奥様はなんて? 和田 2018年から「納得できなかったらやめるからね」と毎年伝えていたので、「やっと決断したんだね」という感じでした。そして「あれから6年も頑張ったのは凄いんじゃない」って。22年間現役生活を続けてきたことも労ってくれました。「多くの選手が早晩やめていく中で、これだけ長くやれたのは凄いことなんじゃない」と。 高3の娘には、日本シリーズ6戦目の11月3日に報告しました。「パパ、今年でやめるわ」と言ったところ、きょとんとした顔で「今回は本当?」って(笑)。「ガチだよ」と言ったら「え、ホントに? 冗談じゃないよね。嘘じゃないよね」と念を押されてしまいました。 妻も娘も、僕がケガで苦しんでいるのを目の当たりにしているし、家でストレッチをやったりシャドーピッチングをやったりする姿を黙って見ていたので、安心したのかもしれません。娘にも「ホントよく頑張ったね」って(笑)。 ――王貞治球団会長には直接報告したんですか。 和田 なかなか直接お目にかかる機会がなかったので、引退発表の前日に電話しました。何かしら察しているような感じがあって、「今年で引退させていただきます」と告げると、しばらく間があって「そうか」と。会長には本当にお世話になっていて、かつて会長に40歳を過ぎてからどのようにコンディションを整えていたか、どうして引退する決断をしたのかをお聞きしたことがあったんです。40歳で引退した会長は「自分の打撃フォームが出来なくなってしまった」と仰っていましたけど、それでも引退時に30本もホームランを打っていましたからね。 世界のホームラン王と僕を比べるのはおこがましいですが、やっぱり僕もケガのせいで思い描くボールが投げられなくなってきていたので、王会長はお見通しだったのかもしれません。
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