福井県立音楽堂で9月に「刺し子」着物ファッションショー 布重ねて糸で模様縫う技…作家の女性が開催へ
複数の布を重ねて糸で模様を縫い込む「刺し子」の魅力を知って―。福井県越前町の刺し子作家五島万里代さんが9月7日、福井県立音楽堂(福井市)で伝統の模様や独自のデザインを縫い込んだ着物のファッションショーを開催する。クラウドファンディング(CF)で8月6日まで、開催費の支援を募っている。 20代で刺し子を始めた五島さんは創作活動の傍ら、1980年に教室「ふくいモダン刺し子・麻の葉会」を設立。教室生への技術継承や、作品展を通じた魅力発信に取り組んでいる。 ファッションショーは初の試み。美しさや繊細な手仕事などの魅力を新たな切り口でアピールしようと、教室生と一緒に2年前から準備を進めている。 江戸時代から明治時代にかけての仕事着「さっくり」に伝統的な幾何学模様に加え、北前船や波しぶきなど現代的な独自のデザインを丁寧に手縫いし、計40着をプロの男性モデルらが着てランウェイを歩く。 現代ファッションとしての刺し子の可能性を知ってもらうため、四季に合わせたさまざまな着方を披露する4部構成とし、春はピンクや黄色の作務衣(さむえ)、夏は胸元にさらし、足元は足袋を組み合わせるなど工夫を凝らすという。 国内外で活躍する音楽家たちが生演奏でステージを盛り上げる。五島さんは「モダンな空間や音楽が刺し子の魅力をさらに引き立たせてくれるのでは。一人でも多くの人が『刺し子をやってみようかな』と思える機会にしたい」と意気込んでいる。 目標金額は150万円。寄付はCFサイト「レディーフォー」で1万円から受け付けている。福井県へのふるさと納税として扱われ、税控除で実質2千円の負担で支援ができる。寄付額に応じた返礼品を用意している。 ファッションショーは午前11時と午後2時半からで、各回定員500人。全席自由3千円。
福井新聞社