【ABC特集】災害関連死を防ぐために・・・ 被災地医療支援チーム「HuMA」に密着 石川・能登地震から1か月
こんな「お手伝い」もあります。 (雲田紀子さん)「ごめんね」 (山本恵子看護師)「いいよー大丈夫よー」 雲田紀子さん(70)は脳梗塞を患い、足が不自由。HuMAの看護師・山本さんに支えてもらいながら向かったのは、宝立小中学校に自衛隊が用意したお風呂。雲田さんは元日の震災以来、長らくお風呂に入れていませんでしたが1月25日にようやく入れました。 (雲田紀子さん)「誰に頼んでいいかわからないし、お風呂にいれてくれる人がいたらうれしいなとは思っていたんだけど」 涙ながらに語る雲田さん。通路や浴室に段差があるため自力ではお風呂に入れず、ずっと我慢していました。この日は2回目のお風呂。 (記者)「お風呂どうでした?」 (雲田紀子さん)「最高でした」 珠洲市内ではデイサービスなどを行う多くの福祉関連施設も被災。雲田さんのように、助けを必要とする被災者も少なくありません。 (山本恵子看護師)「1~10までじゃないですけど、手を貸してあげれば自立できる人はまだまだいるから、そこをどうすくい上げるかが課題ですね」
住民の中には避難所に行かず、被災した家にとどまる人もいます。診療の合間に夏川医師のチームが向かったのは、とある民家。この家には足が不自由な90代の女性が、娘さんと暮らしていました。 (夏川真依医師)「デイサービスとかそういうところに出られなくなって、ベッドの上から中々生活範囲が広がらない方でした。そうすると寝たきりになって、災害関連死であったりとかそれに近づいていくような症状を発症してしまうリスクがあるということで」
1月30日現在、石川県での災害関連死は15人。このうち珠洲市では6人が心身の負担などが原因で亡くなり、いずれも災害関連死とみられています。ひとりでも多く救いたい。そんな思いで自宅に残る人たちを巡回しています。 地震発生当時に床下まで津波がきたものの、妻の足が不自由なため避難できなかったという80代の夫婦がいました (夏川真依医師)「ちょっと血圧の薬をすぐに飲みましょうか。ちょっとしばらくなんとかなるように血圧の薬を持ってきたので飲みましょう。多分地震のあとでいろいろしんどい思いもしてるから」 (男性)「それあります、ものすごく」 (女性)「あんなでけえのきて」 (男性)「俺でも頭おかしくなったもん」