福島、津波被災の町に移住者増加 住宅価格が手頃、子育て支援も
2011年3月11日に起きた東日本大震災の津波で甚大な被害が出た福島県いわき市平豊間地区で、若い世代を中心に移住者が増えている。市中心部に比べ住宅価格が手頃なことに加え、地域ぐるみの子育て支援策が好評だ。かつて豊間海岸はサーファーの聖地と呼ばれ、海と共存する町の風景がよみがえってきた。 市などによると、震災前の10年4月の同地区には663世帯、2212人が居住。震度6弱の地震に続き、市内で最大となる8.57メートルの津波が押し寄せ、家屋430戸が全壊、85人が犠牲になった。被災後に人口流出が続き、18年4月には1084人まで減った。 県と市は防潮堤のかさ上げや防災緑地の整備、住宅地の高台移転といった多重防護の町づくりを18年度までに完了した。23年10月には震災前の世帯数を上回り、人口も24年に1700人を超え回復傾向にある。学区に含まれる豊間小の児童数は24年度に震災前の数を上回った。