過去12回の出場で8度の2位 悲願の初Vへ大東文化大の救世主はキュートなケニア人留学生 “日本の父”との出会いと仲間たちの絆
■留学生エース不調で試されたチーム力
大東文化のチーム力が発揮されたのは、9月に行われた全日本の前哨戦、関東大学女子駅伝。 この日、エースのサラ選手は体調不良で、万全とはほど遠いコンディション。しかし、本人たっての希望で出場することになりました。 外園監督は「(サラがチームに与える)勇気、パワーは大きい。それを本人が分かっている」とその姿を見つめます。 1区は1年生の吉井優唯さん。「サラだけに負担をかけてはいけない」と先頭集団に最後まで食らいつき、3位でタスキをつなぎます。サラさんの負担を軽くしようと2区藤原唯奈さんも必死の走り、2人を抜いてトップに立ちます。 エース区間・3区のサラ選手、タスキを受けると、体調不良をものともしないペースで飛ばします。しかし、最長8.6キロという長丁場、後半には険しい表情に。それでも、苦しいときに沿道にいたのが外園監督でした。「サラあと600メートル最後頑張って」と外園監督の励ましを受けラストスパート。 何とか区間2位で走り切りました。 その頑張りを受けた仲間たちも立て続けに区間新記録の走り。2位に2分以上の差をつけて優勝しました。6人中4人が区間賞。チーム力の高さを証明し、全日本へ弾みをつけました。外園監督は「近年にない大きなチャンスだと思います」 と話します。 サラ選手は「優勝を監督にプレゼントしたい」と外園監督に伝えました。心強いチームメートとともに、日本の父への恩返しのため、各大学のエースが集う5区を走り、全日本初制覇に挑みます。