「coxco」西側愛弓さんがファッションの力で目指す格差のない社会
── フィリピンのマニラでは、どのような活動を展開していますか? 「みんなの夢を自分の好きなファッションで表現し、胸を張って生きる」という体験をして欲しいという想いから、子ども達がモデルとなりランウェイを歩くファッションショーを年に1回開催しています。
── 2023年2月にファッションスクール「coxco Lab」を開校されました。
「coxco Lab」では2024年現在、無償で16名の生徒の受け入れをしています。
今後もさらに生徒数を増やし、貧困地区の若者やお母さんたちが手に職を付けられる環境をつくりたいと思っています。
1期生として学んだ女性が卒業し、先日、「coxco」のスタッフとして入社しました。
今後は雇用の枠もさらに拡大したいです。
【写真】真剣に学ぶ様子。
── アパレルブランド「coxco」を立ち上げたきっかけについて教えてください。 貧困問題の解決には、「教育」と「雇用」が必要で、NPOとビジネスの循環をつくることがサステナビリティにつながると考えていました。以前からフィリピンにファッションスクールを開校する予定は立てていたので、卒業後にみんなが働ける場所をつくろうと「coxco」(※)を立ち上げました。 (※)https://coxco-official.com
── ブランドの特徴について、どのような点にこだわっていますか? 「coxco」のアイテムには「服のかたちをしたメディア」というコンセプトがあり、すべての商品の素材にオーガニックコットンや再生素材、残布など環境配慮型のものを使って、社会的背景やメッセージを乗せています。
また、縫製は日本とフィリピンの「coxco Lab」で実施しています。日本では縫製工場の人員不足も大きな問題の一つなので、今後は「coxco Lab」のスタッフも動員して日本とフィリピン両国に貢献したいですね。
ファッションを通じて貧困層の支援に取り組んでいる西側さん。サステナビリティな社会の実現については、「服を買う際に孫の代まで受け継ぎたいかを考えることですね」と、私たちにもできるアクションを語ってくれました。1着の服を大事に着ることから始められる地球環境への配慮。未来を良くする第一歩として日常生活に取り入れてみてはいかがでしょうか。