「アンリアレイジ」森永邦彦がわがままに応えるセレクトショップ 松本「セルティ」
圧倒的顧客目線 この店のここがすごい!02
「宮下オーナーは、コレクションごとに僕に熱い言葉を贈ってくれます。そこには顧客の声も含まれます。同時に、展示会や僕から受け取った熱を、彼らに伝えてくれています。
作り手としては当然励みになり、なんとか応えたくなります。そんなわけでセルティとは(ほぼ)毎シーズン、別注商品を製作しています。今季は“ポケット”(1万3200円)を作りました。持ち込みを含めて、好きな服やバッグに取り付けてもらいました。
別注商品の中には50万円近い高価なものもありますが、セルティだと売れるんです。オーナー自ら購入・着用して接客するから説得力があるし、顧客の声が反映されたものなので、特別感を感じてもらえているのかと」。
一緒に挑戦したくなる この店のここがすごい!03
「セルティの“わがまま”に応える形で(笑)、今年1.5×3.5mの“絵画”を3カ月かけて製作しました。アーカイブのさまざまな素材の黒い生地を使ったパッチワーク作品で、よく見るとセルティのロゴが隠れています。『アンリアレイジ』としてこういったスペシャルオーダーを受けたのは、後にも先にもセルティだけです。
セルティの顧客の中には松本からショーを観に来てくれる人も多く、やっぱり応えたくなる熱があるんですよね」。
■セルティ 時間:11:00~18:00 定休日:水・木曜日 住所:長野県松本市中央2-5-13 2階
森永デザイナーからのラブコールを受けて
「人生が変わる服か否か?――僕がバイイングする際の唯一のポイントです。その点、『アンリアレイジ』は間違いなく“人生が変わる服”であり、前職のロネから継承した数少ないブランドです。
森永さんからは手紙のほか、藤子・F・不二雄の漫画をもらったり、子ども宛てにギフトをいただいたり、その全てにメッセージがあると思っています。同志として認められ、世界観を共有してもらっているというか。ですから今回、全国から1店に選んでいただき大変光栄ですが、なんとなくそうしてくれるだろうなと思いました(笑)。経営的に厳しい時があったり、コロナ禍があったり、セルティも決して順風満帆ではありませんでしたが、『アンリアレイジ』があったから乗り越えられたのだと心から感じています」。
PHOTOS : NORIHITO SUZUKI