「10億越えの好物件」を相続したはずの「資産家兄弟」が行方不明...赤坂2丁目の駐車場が《アパホテル地面師事件》の舞台に選ばれた衝撃の「経緯」
標的は「アパホテル」
そうして鈴木仙吉、武兄弟のなりすましを仕立てた。相続人と吹聴されてきた鈴木兄弟の“不在”を奇貨とし、くだんの土地を第三者に売り払ってひと儲けしようと企んだ。売り先に選ばれたのが、全国にホテルチェーンを展開して日の出の勢いだったアパグループだったのである。 2013年6月、問題の土地取引が動き始めた。鈴木兄弟のなりすまし役を手配したのが、豊島区に住む秋葉紘子だった。積水ハウスの事件にも出てくる。通称「池袋の女芸能プロダクション社長」である。表向き秋葉は職業をビルの清掃員と称してきたが、むろん仮の姿に違いない。事件当時70歳を目前にしていた。 秋葉紘子は、あの内田マイクとも親しく、長らく2人は連携してきた。正体不明の高齢者の知り合いが多い。女性資産家が白骨死体で発見された新橋4丁目のなりすまし事件でも、みずからなりすまし役として登場したが、本業はプロダクションの女社長と異名をとるとおり、手配師である。 『中間業者を二枚も噛ませる周到な手口で行われた赤坂・溜池の「アパホテル」地面師事件...逮捕された中間業者の「弁明」とは』へ続く
森 功(ジャーナリスト)
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