エルワン・ブルレックが国内本格上陸の〈ラーウィー〉で 新作デザインを発表|小西亜希子の北欧デザイン通信
6月にデンマーク・コペンハーゲンで開催された『3daysofdesign』で発表された〈raawii(ラーウィー)〉のコレクション。その中でも注目の新作は、エルワン・ブルレックがデザインを手がけた同ブランド初となるラウンジチェアだ。今年から日本でも本格展開をスタートしたばかりの注目ブランドの概要と、エルワン・ブルレックの近況も兼ねたインタビューをお届けします。 〈raawii(ラーウィー)〉は2017年にニコライ・ウィグハンセンとボー・ラーハウグ・ラスムッセンによって設立されたデンマークのデザインブランド。ブランド名の〈ラーウィー〉は、2人の姓の頭文字から名付けられ、カラフルで美しいフォルムの花瓶やボウルなど、主に陶器製品を中心に展開。現代的でアップテンポなデザインを伝統的な手法で生産しており、ミニマムでありながら暖かみを感じる製品が多い。日本では今年の5月から〈NOMAD〉が総代理店となり、国内で本格展開をスタートしている。
設立者の一人、ニコライはデザイナーとしてイケア やフリッツ・ハンセン、フラマなど数々のブランドと協働。エルワン・ブルレックとは旧知の仲であり、いつか一緒に仕事をしたいと考えていたという。2023年のミラノ・サローネで会った時に〈ラーウィー〉としての今後の方向性をエルワンに相談した際、エルワンの方から家具の分野を拡げることを提案され、その場で新たな椅子を作る方向性が決定した。プロフェッショナルなデザイナー同士、スピーディーにプロジェクトは進んで行った。
●エルワン・ブルレックにインタビュー
──〈ラーウィー〉との協働、新しい作品の経緯についてお聞かせください。 〈ラーウィー〉は以前からもちろん知っていて、小さい規模ながらまだまだポテンシャルのある企業だと感じていました。ニコライから相談を受けた時、元々セラミックの小物が多いブランドだったので、例えばそのセラミックを生産する時と同じロジスティックのミニマムさで、フラットパックで輸送できる、少ないパーツで構成された椅子を作ってみるのが面白いんじゃないかと思いました。あくまでもブランドとして今まで行ってきた規模や手法と同じ系譜上で進化させることが重要で、アイデンティティでもあると感じたんです。