最も続編が観たい漫画原作の日本映画は? 実写化の金字塔(3)今では考えられない…超豪華キャストのコメディ
近年、数えきれないほど沢山のコミックが実写化されている。とはいえ、原作ファンから支持を得た作品はそれほど多くはない。今回は、高い再現度で観客を魅了した漫画原作の映画の中から「続編が観たい」作品を5本ピックアップ。作品内容と共に、もしも続編が作られたら? というお題で物語やキャスティングを予想する。第3回。(文・ZAKKY)
『銀魂』(2017~2018)
監督:福田雄一 原作:空知英秋 脚本:福田雄一 キャスト:小栗旬、菅田将暉、橋本環奈、柳楽優弥、新井浩文、吉沢亮、早見あかり、ムロツヨシ、長澤まさみ、岡田将生、山田孝之(声の出演)、佐藤二朗、菜々緒 【作品内容】 宇宙出身の天人(あまんと)たちの支配を受け、武士たちが衰退した江戸時代末期。かつて“白夜叉”と恐れられた侍、坂田銀時(小栗旬)は、廃れた剣術道場の息子、志村新八(菅田将暉)や、夜兎(やと)族の少女、神楽(橋本環奈)と万事屋を営んでいた。 そんなある日、彼のもとに、かつての同志、桂小五郎(岡田将生)が凶刃に倒れ、行方不明になったという知らせが入る。事件の調査を進める銀時は、再び剣を手に、旧友を救うべく立ち上がるが―。 【注目ポイント】 なぜ実写版『銀魂』の続編が観たいのか? 原作の世界観をしっかりと再現したストーリーテーリング、映像もさることながら、出演陣があまりに豪華すぎるからである。主要人物である坂田銀時(小栗旬) 、志村新八(菅田将暉)、神楽(橋本環奈)! この鉄壁なトライアングル…。菅田将暉がサブに回っているところも、現代では考えられないキャスティングであり、実に興味深い。 他にも沖田総悟(吉沢亮)、志村妙(長澤まさみ)、土方十四郎(岡田将生)、高杉晋助(堂本剛) など主演クラスの俳優陣のオンパレード。主演・長瀬智也を筆頭に窪塚洋介、妻夫木聡、山下智久、高橋一生、渡辺謙などが揃い踏みをしていた伝説のドラマ『池袋ウエストゲートパーク』を彷彿とさせると言っても過言ではない。 さて、「おたく、ほんとに土方さんですよね?」「何を言ってるんだよ、坂田氏~」といった、銀時と、ただのオタクである土方の何気ない邂逅シーンを思い出すと、ついついクスリと笑ってしまう。そう、本作はコメディとしても秀逸な出来栄えであった。 ギャグ漫画を実写化することにおいて右に出る者はいない福田雄一監督に、続編として描いてほしいのは『かぶき町四天王篇』(原作では34巻~36巻で描かれるエピソード)である。 銀時の住むかぶき町を仕切る、かぶき町四天王による勢力争いを描いた少しシリアスな内容で、ギャグパートが多い前作までのストーリーとは、また趣が違う作品になること請け合いである。 『かぶき町四天王篇』はこんな話だ。撫人斬りの少女・椿平子の暗躍により、銀時たちの万事屋は廃業するハメに陥り、世話人であるお登勢は重傷を負う。それをきっかけに、かぶき町全体を巻き込んだ大抗争が勃発する…。決着がついた後の平子と父が和解を果たす場面は、原作でも指折りの「泣けるシーン」である。 ファンの間でも人気の高いこのエピソード、福田監督であれば、原作とは異なる味付けの感動作として仕上げてくれるはずだ。北野武監督もそうだが、笑いのセンスのある人は、人を泣かせるセンスも兼ね備えていることが多い…というのが筆者の持論である。 何はともあれ、豪華キャスティングと共に、続篇を望みたい。
ZAKKY