「昔はたくさんいた」「今では立場が逆転」実は数を減らしているブルーギル、原因は農薬?「水槽に入れた瞬間、エビが死んじゃいます」水中写真でみるブラックバスとブルーギル
バスフィッシングにおいてもっとも身近な外道、否、ゲストのブルーギル。好奇心旺盛な性格でどこか憎めないこの魚を、水中から観察するとどのようなことがわかってくるのか。水中写真家の佐々木浩之さんに話を聞いてみた。 【画像】「水中すげぇ…」ブラックバスとブルーギル、琵琶湖のウィードエリアを泳ぐ。
バスはギルをあまり食べていない?
水中写真家の佐々木さんから見て、ブルーギルという魚はバスと比べてどう違いますか? 「ブルーギルとブラックバスは似ている部分が多いです。小さいうちは群れていて、なんにでも興味を示す好奇心が強い魚。そして大きくなると単独行動が増えて警戒心が増えていく。成長における変化はブラックバスと一緒ですね。 ただ、ブルーギルは大きくなってもあまり沖めにはいません。基本的には岸寄り、浅場が好きな感じです。好奇心や攻撃性も、性格的にはバスと似ています。群れているギルに近づいたらバッていっせいに逃げるし、産卵期に撮影しようと近付くとつついたり噛んだりしてきて、けっこう痛いですよ。水中カメラのストロボを噛んだり、カメラを持っている手を噛んだり。バスは体が大きいんで、身体全体を使って追い払ったりしますが、ギルは口を使いますね」 バスはギルを食べている? 「バスがギルを食べているところは、自分はあまり見たことがないんですよね。食べないことはないと思うんですが、エサとしての優先順位は低いと思います。アユとかワカサギとか、細身の魚のほうが好きだと思いますよ。 ブルーギルは背びれとかが引っかかって食べにくいんじゃないでしょうか。むしろ、バスとギルは一緒にいることが多くて、あまり敵対してないですね」 それは、バスとギルとのサイズ差があっても? 「そうですね、30~40cmのバスの群れに20cmくらいのギルがついていってるのもよく見ますし。ただ、バスのスポーニング時期に、産卵床に来たギルは追い払ったりはしますよ。そのときくらいしか、バスがギルを襲うのは見たことがないです。 でも、これだけギルのルアーで釣れているということは、僕の知らないところでギルを食べているのかもしれない。あとはギルじゃなくてただ単にでかいエサだと思ってギルルアーにバイトするのかもしれない。それは僕にはわからないですね」