奈緒「気づいたら自分が応援されているような気持ちに」『あのクズを殴ってやりたいんだ』インタビュー
10月8日(火)スタートの火曜ドラマ『あのクズを殴ってやりたいんだ』(TBS系 毎週火曜 午後10時~10時57分)で主演を務める奈緒さんにインタビュー。本格的に取り組んでいるボクシングや見どころなどを聞きました。 【写真】『あのクズを殴ってやりたいんだ』ポスタービジュアル 本作は、結婚式当日に新郎に逃げられてしまった主人公・佐藤ほこ美(奈緒)が、金髪の謎の男・葛谷海里(玉森裕太)との出会いをきっかけに自分を変えるためにボクシングを始め、「もうクズな男に泣かされるのは嫌だ!」と恋もボクシングも本気で向き合う姿をオリジナル脚本で描くガチンコボクシングラブコメディ。 ◆クランクイン前に、ラブコメ作品の経験が少ないというお話をされていましたが、実際に作品と向き合ってみていかがですか? ここはキュンとするシーンだという明確な目的がシーンごとにあるというのがすごく新鮮で面白いです。監督たちがこだわった撮り方や見せ方で撮ってくださいます。 ◆玉森さんが「ラブコメというのは他の作品とはまた違う部分があって、チームで作り上げていくもの」と言われていましたが、現場でどのような話し合いが行われていますか? 人によって何にキュンとするのか異なるので、どのようにしたらもっとキュンとしていただけるのか、ほこ美と海里とのシーンについても話し合いをします。その他にも、「このシーンだったら、どのように2人は動くだろう」と、ほこ美と海里の心情も大切にしながら、みんなでお話して作っています。 ◆ほこ美との共通点はありますか? 最初に共感したのは、家族の形は違うけれど、家族に対しての思いや好きな気持ち。ボクシングに関しては、練習を重ねてく中で「ほこ美はこう思ったのかな?」と追体験することの方が多いです。「人から応援してもらえることがこんなにパワーになるんだ」とか、練習がすごくきつい時でも、海里のことを思うと腕が上がったりする瞬間があって。それはもともと私が持っている性格というよりは、この作品でほこ美と一緒にボクシングを始めたことで気づかされたことだと思います。 ◆ほこ美は恋愛とボクシングの両方を追いかけていきますが、奈緒さんご自身は同時進行するタイプ? それとも一つを極めたいタイプ? 私はやりたいと思ったらすぐ足を踏み入れてしまうほど、たくさん趣味があるんです。ですが、最近は一つのことをじっくりやっていくことの方が自分には向いているのかなと思います。 ◆奈緒さんご自身はこれまでスポーツに打ち込んだ経験はありますか? 先輩に誘ってもらって始めたキックボクシングは、半分エクササイズの感覚で、趣味として1年ぐらいやっていました。ただ、学生のころに部活で何かスポーツをしてきた経験はなくて。体を動かすようになったのも、1年ちょっと前ぐらいから。そろそろ自分で意識しないといけないかなと思って、いろいろなことを始めたことで体を動かすことが楽しいなと感じるようになったんです。 ◆プロボクサーを目指す役に挑戦されることについて、周りから反響は? 舞台出演の期間中にボクシングの練習が始まったので、練習して舞台の本番という日があって。その時にみんなに「今、ボクシングをやっているんです」と言ったら、私にそういうイメージがなかったみたいで、すごく驚かれました。友人もまさか私が本気でプロを目指すような役だとは思っていなかったですし、もっと言うと、母も「なんで、奈緒ちゃんにボクシングなの?」と(笑)。ですが、意外だと思ってもらえたからこそ、みんなが「どうなるかが楽しみだから見たい」と言ってくれます。それに身近にいる人はどんどん私の体つきが変わっていくこともそういうところが見られるから、すごく応援してくれています。 ◆ハードなボクシング練習を重ねているようですが、何か変化は感じますか? この作品に合わせて、食事制限もしているのですが、練習を重ねていく中で体に変化が出てきて、自分自身でも初めてのことでびっくりしています。始まる前は、「体がついてきてくれるかな」「間に合うかな」と、たくさん不安がありましたが、どんどん自分の体が応えてくれたので、私自身も準備から現在までの期間で「やった分だけちゃんと成果が出るんだな」と教えてもらっています。 ◆具体的にどのくらい練習していますか? 週何回といった具体的なスケジュールは決めていなくて。撮影と昼休憩の合間の時間に練習を1時間やるなど、とにかく空いている時間で練習を入れてもらっています。あとは自分でジムに行って筋トレをしたり、毎日何かしらのトレーニングをしているかもしれません。 ◆ストイックに練習をされていく中で、体力的に大変な部分もあるのでは? 「これだけやったから安心」という上限がないんですよね。やればやるほど、もっとと思いますし、できていないことが見えてきて、今度はそのできていないことをできるようになりたいとずっとやってしまう。ですが、この作品に取り組む上で、ボクシングがあるから頑張れているところもあって。ボクシングをやっている時間に支えてもらっている気がします。 ◆奈緒さんから見たほこ美はどういう人物ですか? すごく不器用で真っすぐで、とても懐が深い人だと思います。恋愛に関してもすごく不器用なところがあって。ほこ美はきっと一つのことにすごく集中するタイプで、本来だったら恋愛とボクシングの二つを追いかけることは苦手だと思うんです。ですが、ほこ美は不器用ながらにどちらにも一生懸命になっていきますし、うまくいかないこともある中、七転び八起きですぐに立ち上がる人でもあって。話を重ねていくごとにそのほこ美のパワーに応援したいと思いますし、気づいたら自分が応援されているような気持ちになるので、しっかりとそのパワーを視聴者の皆さんにもお届けできればと、みんなでほこ美を作っています。 ◆自分の人生に立ち向かっていくほこ美の強さをどう感じていますか? ほこ美が作品の中で「しつこいね」と言われるのですが、言葉を変えると、すごく粘り強い人だなと思うんです。なので、彼女の強さはその粘り強さなのではないでしょうか。ここで諦めてしまうようなところで折れなかったり、折れたように見えるけれど何回でも立ち上がる根性がすごくカッコいいなと思いますし、好きなところなので自分もほこ美のようになれたらいいなと刺激を受けています。 ◆奈緒さんご自身が「このままでは終われない」と思ったことはありますか? 「負けっ放しは嫌だな」と思うのは、お芝居です。いまだにすごく難しいなと感じるほど、分からないことばかりなんですよ。「分からないから」「できなかったから」「負けっ放しは嫌だから」「もう1回チャレンジしたい」というのは、お芝居に対してもあって。その分からなかったことが、次の自分の糧になりますし、だから続けられているみたいなところも。そういった経験が支えになっています。 ◆最後に、1話の見どころと視聴者へのメッセージをお願いします。 1話は、ほこ美がどん底に突き落とされる状況からスタートします。人それぞれ目の前に壁がありますが、ほこ美がどうやってその壁をこれから乗り越えていくのか、その過程には周りにどういう人たちがいて、どういう支えがいるのかというところがこの作品の見どころになります。ほこ美がボクシングを始めるきっかけの一つにもなるミステリアスな男性・海里の謎も注目していただきたいですし、登場人物の個性も爆発している、にぎやかなお話になっていると思うので、ぜひ楽しんでいただけたらうれしいです。
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