SPECIAL INTERVIEW 森福允彦(元ソフトバンク、巨人) 人生を変える1球の魅力
左のワンポイントとして、独自の地位を築き、存在感を放ってきた。ソフトバンク、巨人で、限られた登板機会の中、懸命に腕を振り続けた13年間。昨季限りでユニフォームを脱いだ森福氏が、中継ぎへの思いのほか、あたらめて引退までの経緯、そしてこれからのことも語ってくれた。 インタビュアー=田中大貴[スポーツアンカー] 構成=菅原梨恵 写真=高塩 隆、BBM ──現役引退を発表したのが昨年末。それから9カ月半ほどたちました。 森福 あっと言う間でしたね。今年は新型コロナウイルスの影響などもあって、いろいろと考えることもできた。野球も、もちろん見ていますよ。やっぱり気になりますから。特に在籍していた巨人とソフトバンクは、すごく気になります。 ──森福さんの場合は、ほかの選手よりも少し引退のタイミングが遅かったこともあって、引退したことを認識していないファンの方もいると思うのですが。 森福 たしかに、いまだに「頑張ってください」って言葉をかけられることも、たまにありますからね(笑)。「いや、もう引退しました」って説明が入ります。 ──ご自身の中では大々的に「引退します」とか、会見など舞台を作って引退していこうとは思いませんでしたか。 森福 まあー、引退試合をしたかったっていうのはありますけど……。でもあんな感じで巨人で終わってしまったんで、仕方ないかなとも思っています。 ──自分の中では100%、理想どおりに引退できたわけではない? 森福 悔いは残っていないですが、やっぱり野球が大好きなので、正直なところ、どこかでやりたいという気持ちはありました。でも、自分の中で落ち目を感じていたのも事実で……。すごく苦しかったですね。 ──いつから苦しかったですか。 森福 うーん、(移籍)2年目ぐらいからですかね。2018年シーズンの最後に右ヒザをケガして。そのときに、「終わったな」と思ったんですよね。19年も契約はあったんですが・・・
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週刊ベースボール