【最新版】スマホを愛する現代人に贈る、目の健康トリビア
■健康な目を守るための生活習慣 では、大事な目を守るために先生がオススメする生活習慣はありますか? 「身近なところでいうと、食生活に気をつけるといいと思います。私のオススメは、ゴーヤーやホウレンソウなどの緑黄色野菜を積極的に食べることです。緑黄色野菜にはルテインという体へのダメージを防ぐ抗酸化作用を持つ成分が含まれていて、特に目に良い食べ物です」 よくブルーベリーが目に良いと聞きますがそれはどうでしょうか? 「眼科医の目線で言うと、ブルーベリーにはそれほど目に良い成分は含まれていません。やはりそれより、ゴーヤーやホウレンソウなどのほうが目の健康には断然良いですね。ほかには、コーヒーを1日3杯飲むと目に良いことがわかっています。ただ、飲みすぎはかえって悪影響なので注意が必要です」 ほかには何かありますか? 「現代では眼鏡やコンタクトレンズをしている人が多いと思いますが、私は遠近両用レンズの使用を推奨しています。 これは、ひとつのレンズに異なる度数が入っていて、どの距離でも適度な視力で見ることができるスグレモノのレンズです。近くを見るときまで視力を過剰に矯正してしまうと、見えすぎて逆に目が疲れてしまうことがあるので、近くを見るレンズは度数が弱いほうがいいんです。 このタイプのレンズは昔は高齢者が使うイメージがありましたが、目に非常に優しいので今は若い人にも積極的に薦めています。コンタクトレンズにも遠近両用があるので、ぜひ試してほしいですね」
■ブルーライトカット眼鏡はしないほうがいい? 眼鏡といえば、ブルーライトカット眼鏡が目に良いとよく聞きますよね。 「実は、ブルーライトをカットすると目に良いという科学的な根拠はかなり薄いです。そもそもブルーライトは紫外線に近い波長を持っている光であるものの、可視光線の一種なんです。 なので、普段の生活でわれわれが太陽や蛍光灯から浴びている光にもブルーライトは含まれています。それがスマホやパソコンからも出ているというだけで、ブルーライトをカットしたところで目とモノの『距離』の問題が解決されない限り、あまり意味はありません。 それどころか、日本眼科医会は子供にブルーライトカット眼鏡をかけさせることは積極的には推奨できないとして、公式に注意を呼びかけているんです。 なぜかというと、幼少期の目の発達にブルーライトを含む太陽光が必要なものかもしれないという研究があり、それをカットしてもたらされる健康被害が明らかになっていないからと考えられます。 科学的に明らかにされていない効果のためにリスクを背負ってブルーライトカット眼鏡をしたり、子供にかけさせたりするのは、眼科医としてオススメできませんね」 最新の技術では、レーシックやICL(目の内部にコンタクトレンズを挿入する手術)も一般的ですが、それに関してはどうですか? 「それらの技術に関しては、メリットとデメリットを正しく理解して個人の判断で利用すればいいと思います。前提として、レーシックやICLは目の視力を上げてくれるけどピント調節機能の衰えである老眼に対しては効果がありません。 なので、若いときにレーシックを受けるとしばらくはそのままでいいけど、年を重ねると老眼鏡が必要になってくることもあります。 また、ICLは自分に合わないと思ったら手術でレンズを外せばいいだけですが、レーシックは角膜を削ってしまうので一度手術をすると後戻りはできません。そのようなリスクはありますが、視力を良くしたい人や眼鏡を煩わしいと感じる人は、個人の判断で手術を受ければいいと思います。 ただ、『友達も手術を受けたら手術代を安くするといったキャンペーン』は健康被害が出ると人間関係を壊しかねないので、注意が必要かもしれませんね」 レーシックやICLは決して魔法のような技術ではないということですね。