福島原発告訴団の会見(全文1)飯舘村の現状とひだんれんの活動について
ひだんれんの活動について
武藤:皆さんこんにちは。共同代表の1人の武藤類子と申します。ひだんれんをつくった1つの理由としては、事故から年月がたつに従って、東京電力や国が起こした事故について反省をせず、被害者を救済しようとせず、子供たちの健康を守ろうとしない現状を見て、被害者たちがつながって声を上げなければ何も変わらないと思いました。結成以来、毎月集まって会議や合宿を重ね、それぞれが抱えている困難を出し合って、国や東京電力への統一した要求を作ってきました。 昨年の7月と10月に集会とデモ行進を行い、福島県に要求を出しました。しかし、福島県は責任のある知事や副知事などが会おうともせずに、国の方針に従うばかりです。あしたは日本政府に対して緊急に3つの要求を出します。1つは住宅の無償提供についてです。いままで避難者は住宅は無償で入ることができました。しかし、その方針を来年の3月で打ち切るということを決めました。その方針を撤回するようにお願いします。それから、これから避難したい人たちにも無償提供することを要求します。 2番目は避難指示区域の解除、賠償打ち切りについてです。年間の追加被曝線量が1ミリシーベルト以下を下回ったことを実証されない限り、避難指示をそのまま継続することを要求します。 3番目は2012年に制定された「原発事故子ども・被災者支援法」に関してです。議員立法で決定された素晴らしい法律なのですが、実際には何も具体化されませんでした。しかし、昨年の8月に閣議決定で次の条文を加えました。帰還困難区域以外は避難が必要な地域ではないと改定しました。その撤回を求めます。 もう1つは、私が関わっている福島原発告訴団の話をします。きのう、2月29日に東京電力の勝俣元会長、武藤、武黒元副社長の3人が強制起訴されました。原発事故から5年目にして、ようやく福島原発事故の責任を問う刑事裁判が開かれることになりました。2012年に1万4000人あまりで起こしたこの告訴は、検察によって二度の不起訴処分になりました。しかし、一般市民からなる検察審査会が二度の起訴議決を出しました。東電や国は原発事故の真実を隠し、被害をなきものにしようとしていますが、市民がそれを許さず、刑事裁判への扉を開いたのです。 闇に葬られようとした事故の真実を明らかにし、二度と誰もが私たちと同じような悲劇に遭わないように私たちは被害者の責任としてこの活動をしてきました。必ず責任を問われるべき被告人たちに、公正な判決が下されると信じています。あしたのひだんれんの集会ではみんなと一緒に大きな声を上げていきたいと思っています。ありがとうございます。