まったく評価せず…。欧州日本人選手を干した監督(5)“モナ王”の使い方をわかっていない…。21億で獲得もベンチに
監督と選手の相性は重要だ。その相性の良さから秘蔵っ子としてキャリアを通して何度もタッグを組むこともあれば、逆に全く起用されずにお別れするケースもある。今回は、さまざまな理由で日本人選手を起用しなかった監督を紹介する。※リーグ戦出場数は同監督の下での成績。
フィリップ・クレマン×南野拓実(モナコ) リーグ戦成績:18試合1得点4アシスト 昨シーズン南野拓実は完全復活を遂げた。リーグ・アンで9ゴールを決めており、6アシストという成績を残した。SNSでも「モナ王」と話題沸騰の日本代表MFは2月25日に行われたRCランス戦で試合終了間際に劇的な勝ち越しゴールを決めるなど、その異名に相応しい大暴れぶりを披露している。これだけの活躍ができるようになったのは、昨夏にフィリップ・クレマンからザルツブルク時代の恩師アドルフ・ヒュッターへと監督が変わった影響が大きい。 なぜ南野はクレマンの下で活躍できなかったのか。一昨夏にリバプールから1500万ユーロ(約21億円)の移籍金でモナコへと加入した日本代表MFだったが、当時はかなり前線が飽和状態だった。主将のウィサム・ベン・イェデルを筆頭にブレール・エンボロ、マイロン・ボアドゥ、ケビン・フォラントと4人のストライカーに加えて、後半戦からは当時18歳の新星MFエリーゼ・ベン・セギルが積極的に最前線で起用されていた。 クレマン監督は[4-4-2]を基本フォーメーションに戦っており、その中で南野は自らのポジションを見つけることができなかった。ツートップは先述したストライカーたちが優先的に起用され、両WGにはより個人での打開力のあるドリブラーが先発に名を連ねた。近い距離で味方選手との連係から持ち味を発揮する日本代表MFからすれば難しい環境であり、その結果リーグ戦では18試合1得点4アシストと寂しい成績に終わってしまった。
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