衆院選投票率の推移

衆院選（27日投開票）は15日、公示される。東京都内の小選挙区の投票率は、前回令和3年が57・21％と、全国（55・93％）を1ポイント余り上回った。区割り変更により小選挙区が25から30に増えた都内の投票率が注目される。 過去の衆院選で、都内と全国の小選挙区の投票率は、ほぼ同じような推移をたどってきた。平成15年以降に計7回実施された衆院選の投票率を見ていくと、都内が全国を上回ったのは24年、26年、令和3年の3回だ。 自民・公明が民主（当時）に大勝し、再び政権を担うこととなった平成24年。全国の投票率（59・32％）に対し、都内は62・20％と3ポイント近く上回った。都内25の小選挙区のうち、自公が計22議席を占めた。民主は大きく減らしわずか2議席にとどまった。 続く26年は、全国の投票率が15年以降最低の52・66％。都内では再び全国を上回ったもののやはり低調で、54・36％だった。この時も自公は都内で堅調に選挙戦を進め、併せて23議席を獲得。野党第一党の民主（当時）はさらに後退し1議席を死守するのが精いっぱいだった。 就任したばかりの岸田文雄首相＝当時＝が解散を決断した前回の令和3年では、都内で自公が計17議席と、全国の投票率を上回った衆院選の中ではやや苦戦する結果に。一方で、立憲民主は前回から倍増の8議席まで伸ばした。 平成15年以降、全国の投票率が最も高かったのは21年の69・28％だ。都内も同様に最も高かったが、66・37％と全国を3ポイント近く下回る結果に。この選挙で、民主は21議席を獲得する大勝で、自民は4議席と惨敗、公明は議席を失った。都内の情勢は、政権交代を実現させた民主の大躍進を象徴することになった。 石破茂首相の就任から8日後の解散、26日後の投開票は、いずれも戦後最短となる。前回令和3年以上の超短期決戦は、区割り変更の影響もあり、公示を目前にようやく都内の構図が固まりつつある。投票率の動向は選挙結果を左右するかもしれない。