マセラティ新型BEV「グランカブリオ・フォルゴレ」発表 2028年までに完全EVメーカーに生まれ変わるラグジュアリーブランドは“電動ボート”にも進出
マセラティの電動化を示すイベント「フォルゴレ・デイ」を開催
ニューモデル「グランカブリオ・フォルゴレ」の発表にあわせて、マセラティは“フォルゴレ・デイ”という名のイベントをアドリア海に面したイタリアの街リミニで開催しました。 【画像】マセラティが「電動ボート」を作った!? 写真で見る(50枚)
フォルゴレはマセラティのBEV(電気自動車)に与えられる名称で、もともとは「雷鳴」や「稲妻」を意味するイタリア語。電気のチカラで走るマセラティのパワフルなモデルにぴったりな名前といえます。 今回のイベントでは、マセラティ首脳陣によるプレゼンテーションに続き、電動化技術、フォーリセリエ(オーナーの好みにあわせてカスタマイズするマセラティ独自のプログラムのこと)、電動ボートの「トリデンテ」などに関するワークショップも実施されました。 このなかで、私にとってもっとも興味深かったのはマセラティの電動化技術に関するプレゼンテーションでした。 現在、ヨーロッパで発売されているマセラティのBEVは「グラントゥーリズモ・フォルゴレ」、「グレカーレ・フォルゴレ」の2台で、これに今回グランカブリオ・フォルゴレが加わった形ですが、プラットフォームとしてはグラントゥーリズモとグランカブリオの3モーター系とグレカーレの2モーター系に分かれます。 このうち3モーター系のプラットフォームについてはグラントゥーリズモの試乗記でご紹介したとおり、前輪を1基のモーターで、後輪を2基のモーターによって駆動するもので、後輪の駆動力に左右で差をつけてクルマがみずから曲がろうとする力を生み出すトルクベクタリングを実現しているのが特徴のひとつです。 また、グラントゥーリズモ・フォルゴレはプラットフォームの多くをエンジン車と共用していることもあり、運転席と助手席の間にはプロペラシャフトを通すためのセンタートンネルが存在します。そこで、このセンタートンネル内にバッテリーを搭載することによりドライバーとパッセンジャーの着座位置を通常のBEVよりも低く設定。全高をエンジン車と同じ1353mmと低く設定したことも特徴のひとつです。 基本的に同じプラットフォームを用いるグランカブリオも基本的なレイアウトはグランツーリズモと同じで、1365mmの全高はフォルゴレとエンジン車で共通とされています。 いっぽう、グレカーレ・フォルゴレのプラットフォームはまったくの別モノで、一般的なBEVと同じようにバッテリーをフロア下の低いところに広く敷き詰めるレイアウトとされています。 このためバッテリー容量は105kWhと大きく、航続距離は426~501kmと十分なスペックを誇っています。 そして駆動系は前後アクスルにモーターを1基ずつ設けた4WDで、557ps・820Nmを発揮。0-100km/h:4.1秒、0-200km/h:16.2秒と、いずれもガソリンエンジンを搭載したグレカーレ・モデナを上回るパフォーマンスを発揮します。 なお、エンジン車のグレカーレはアルファロメオのステルヴィオやジュリアと共通のジョルジョ・プラットフォームを用いていますが、グレカーレ・フォルゴレの場合はどうなのでしょうか?