アジアン・ヤング・ジェネレーション~香港(1)【「新型コロナウイルス学者」の平凡な日常】
■「HKU」 今回の訪問先は香港大学。ちなみに余談だが、新型コロナパンデミック初期に"8割おじさん"と呼ばれた西浦博教授(京都大学)も、ここに在籍していたことがある。ここで会った人たちに彼の話題に出すと、「おー、ヒロシ!」と、すべての人たちが彼のことを覚えていた。 ちなみにコロナウイルスには、「HKU」という名前が付いているものがたくさんある。たとえば、風邪の原因ウイルスのひとつである「HKU1」。これもコロナウイルスの一種であるが、この名前は香港大学(「The University of Hong Kong」の略称)に由来するものである。つまり香港大学は、コロナウイルス研究の世界的メッカのひとつであり、そこにはSARSアウトブレイクの影響も多分にあると思われる。 香港行きの飛行機に乗り込む前、羽田空港で、まもなく公開される予定だった『週プレNEWS』の私の連載コラム記事を探していると、その前日にアップされていた市川紗椰さんのコラムがふと目に止まった。それは、「『この偉人たちが同じ時代を生きていたなんて!』市川紗椰の既成概念がぶっ飛んだ歴史上の意外な同級生」というタイトルで、「関連がないふたつの事象の『時代のオーバーラップ』」について触れられていた。 そういえば、と思い、くるりの『THE WORLD IS MINE』のリリース年をちょっと調べてみた。 ――2002年。これはただの偶然だが、中国・広東省でSARSコロナウイルスが蠢(うごめ)きはじめていた、まさにその年にリリースされたアルバムであった。 ※(2)はこちらから 文・写真/佐藤 佳