ギャグ漫画、復権なるか? 『増田こうすけ劇場 ギャグマンガ日和GO』 15年ぶり5度目のアニメ化に高まる期待
■ギャグ漫画の金字塔、5度目のアニメ化へ 『増田こうすけ劇場 ギャグマンガ日和』の新作アニメ『増田こうすけ劇場 ギャグマンガ日和GO』が、2025年4月から放送されることが決まった。実に15年ぶり、5度目のアニメ化となる。また、2025年は原作漫画が「月刊少年ジャンプ」で連載が始まり、25周年という節目の年でもある。 【写真】名場面がいっぱい!『ギャグマンガ日和』「ABEMA」で先行独占配信されるビジュアルをみる 制作決定に合わせて、キャラクターのビジュアルも公開された。お馴染みの“聖徳太子”や“松尾芭蕉”、そして熱狂的なファンが多いであろう“クマ吉くん”と“うさみちゃん”も健在だ。アニメは前作同様にスタジオディーンが担当。独特な絵柄とシュールなギャグで人気の本作だが、どのエピソードがアニメ化されるのか、要注目である。 今回のアニメ化は今まで以上に大きな意味がある。現在、ギャグ漫画が原作のアニメが不毛の時代といわれている。年間、膨大な量のアニメが制作されているが、異世界物やバトルもの、ラブコメものと比べるとその制作数は非常に少なく、大きなヒット作が見られないのだ。では、なぜ、ギャグアニメは制作されなくなったのだろうか。 まず、メディアミックスが難しい点にある。ギャグ漫画が原作のキャラは、美少女やイケメンが登場するアニメと比べると、どうしてもグッズの売上が弱い。そのため、制作費をかけるなら儲かる方へ――と出資する側が考えるのは自然なことである。対して、現在ほどコンテンツ産業が隆盛していなかった時代は、ギャグ漫画原作のアニメも多かった。 ■原作の面白さをアニメで再現できるか また、原作の面白さをアニメで再現するのがかなり難しく、手を出したがらないアニメ会社も多いと言われる。原作通りのギャグとセリフをそのままアニメで再現しても、ウケるとは限らない。ギャグアニメは特に間の使い方が難しいうえ、声優の演技力も求められるのは言うまでもない。多方面でかなり高度なテクニックを要するアニメなのである。 子ども向けで、特に下ネタを扱うギャグ漫画は、コンプライアンスの観点からもアニメ化が非常に難しいといわれる。20年前は放送できていたアニメも、現在ではアウトとなる表現は多い。本能的に子どもはそういったギャグアニメが好きなのだ。しかし、制作数が少なくなっていることで、子どものアニメ離れが進むのではないかという意見もある。 そんななかで届いた『ギャグマンガ日和』のアニメ化は朗報である。これまでの作品も期待を裏切らない完成度で評価が高かったこともあり、SNS上でも期待する人が多く、大盛り上がりとなっている。それだけ多くの人が、ギャグアニメに飢えている証しなのかもしれない。
元城健