大谷翔平のように世界一へ飛躍を! ここ6シーズンの国内女子ゴルフの女王たちに“共通点”を発見…どこか分かりますか?
国内女子ツアーでは今年、新たな女王が誕生した。21歳の竹田麗央だ。現在のドライビングディスタンスは262.72ヤードの1位という圧倒的飛距離が代名詞だが、77.3946%のパーオン率でも1位とそのショット力を武器に、初優勝を挙げた今年、ここまでに8勝を手にしている。昨年まで2年連続で女王の座に君臨してきた山下美夢有との争いのすえ奪った称号というのも、大きな価値がある。 確かに踏み込みがしっかりしてる? 竹田麗央が自分のスイングを自分で解説!【連続写真】 竹田が“剛”ならば、山下は“柔”。プレースタイルの異なる2人だが、コースで使用するアイテムという観点から見ると、共通点が2つある。まず、クラブはともに住友ゴム工業(ダンロップ)と契約。そして、足元を見るとシューズがニューバランスで共通している。 実は今季のツアーを見ると、このニューバランス使用者が躍進を遂げている。竹田が女王を決めた「伊藤園レディス」までの35戦で、なんと15勝。その伊藤園を制した山内日菜子、前週の「TOTOジャパンクラシック」で勝った竹田、さらにその前の週の「樋口久子 三菱電機レディス」の勝者・岩井千怜と、現在3週連続で同社のユーザーが優勝カップを掲げている。 竹田は今年から履きだし、いきなりの好結果につながった。その印象について、「歩きやすいですし、自分の足に合っていると思います。つま先が硬いシューズが好きなんですが、ニューバランスのものは結構硬い。そこが一番気に入っています」と話す。この“つま先の硬さ”はプレーにも直結している。「硬いとフィニッシュの時に(右つま先が)しっかり安定してくれる。それで踏み込みやすくもなります」。シューズが、あの迫力のあるスイングの一助になっていた。 山下にも話を聞くと、「1年間通して、歩き疲れないシューズがベスト。ニューバランスはすごく履きやすくて、グリップ力があるし、すごくいいです。スパイクなんですけど、足場がしっかり安定します」と、竹田同様にスイング時の安心感を特長に挙げる。 ニューバランスがツアーに参入したのは2017年。実は、その翌年から“驚きの事実”がある。18年以降の女王を見ていていくと同年のアン・ソンジュ(韓国)、19年の鈴木愛、2020‐21年シーズンの稲見萌寧もニューバランスを履きプレーしていたのだ。実に6シーズン連続で、ツアーNo.1選手の“歩み”を支えていることになる。 そうなると、さらに興味は増す一方。そこで他の選手にも話を聞いてみた。今季3勝を挙げている岩井千怜は、「履きやすさもあるし、かかと部分がガッチリしていることで安定感があります」。こちらもしっかりと“地に足がつく”感覚を得ている。もともと「フィット感」をシューズに求めていることもあり、そこがハマっているようだ。 さらに「あとは大谷翔平感かな(笑)。大谷選手のようになれるように、超えられるように頑張りたいです」と言ってニヤリ。今年、メジャーリーグのロサンゼルス・ドジャースに移籍し、ワールドシリーズ制覇を成し遂げた大谷がニューバランスと契約しているのは有名な話だが、竹田、山下、そして岩井と、来季から米国で活躍することに思いを馳せる選手にとっては“縁起物”にもなりそうだ。 今年3月の「アクサレディス」でツアー初優勝を果たした臼井麗香は特殊な事情も絡み、プロ入りから長年愛用している。「私、外脛骨(がいけいこつ)が2個あるんです。それで足の痛みがあって、靴に対して敏感。そのなかでニューバランスを履かせてもらったら、痛みをあまり感じないようになりました」。それでもやはり「ホールドの作りがしっくりくる。横揺れに対して強いし、安定感がありますね」というのは、これまでの声と共通している。 プロ入り後、一貫してニューバランスを履き、今年4月の「富士フイルム・スタジオアリス女子オープン」で初勝利した阿部未悠も、「一番足に合ってる」といまや欠かせないアイテムのひとつになっている。シューズの横幅が「狭すぎるのは苦手」というニーズも満たしており、お気に入りの様子だ。また、臼井と声をそろえた部分が、ボアではなく紐タイプの製品ラインナップがあること。「しっかりと自分で締めたいんです」というのは、やはり安心感を得るための考えともいえる。さらに「デザインもかわいい!」という女子らしい意見も、しっかりと聞くことができた。 プレー面での手助けはもちろんだが、18ホールを3日間ないしは4日間歩く選手たちにとって、シューズはクラブ同様、大事なアイテムなのは言うまでもない。国内ツアーは今季も残り2試合。その後の米国予選会(12月5~9日、米アラバマ州)でも、“足取り軽く”プレーする姿に期待しよう!