日本人が知らない偉業“ムエタイのPFP1位”吉成名高23歳は何がスゴい? 怒涛の29連勝も「まだ会場が震えるような試合はできていない」
昨年8月、タイ国スポーツ省が承認するムエタイ組織WMO(世界ムエタイ機構)が、パウンド・フォー・パウンド(PFP)ランキングを発表した。1位に選出されたのは、ある“外国人選手”だった。 【写真】タイ人も認める“ムエタイ最強王者”吉成名高23歳の「バッキバキの腹筋」がスゴい…! ジムで撮影した引き締まった肉体美を見る
「昨日の試合を見たよ」本場タイで浴びる熱視線
当時、ルンピニーと並ぶムエタイ二大殿堂のひとつ・ラジャダムナンで2階級制覇を成し遂げていた吉成名高(エイワスポーツジム)だ。その直前にラジャダムナンで同スタジアム認定フライ級王座の初防衛戦に臨み、4ラウンドTKO勝ちを収めたことが評価されたのだろう。それでも、23歳の吉成は「いやいや、自分はまだPFPの1位ではない」と謙遜する。 「知名度はロッタン選手やスーパーレック選手の方が高い。僕はまだタイで活躍している外国人くらいの位置づけだと思う。まあ、外国人の中ではトップだと思いますけど」 実際、タイで試合をした翌日には町中で「昨日の試合を見たよ」と温かい声をかけられ、バンコクのジムで練習するとまわりのタイ人から熱い視線を注がれるようになったという。 「タイでは、結構認知されてきた気がします」 いま、ムエタイは大きく変わりつつある。かつてバンコク市内にあるラジャダムナンとルンピニーの両スタジアムでは毎日興行が行われていたが、コロナ禍によって興行は全てストップ。たえず興行があることでお金を回していた中小のジムは資金繰りに行き詰まり、閉鎖に追い込まれ、帰郷する選手が続出した。 コロナ禍明け、両スタジアムは思い切った刷新に乗り出した。大相撲の土俵同様、メジャースタジアムのリングは“女人禁制”だった。しかし最近はどちらとも女子の試合を組み、軽量級を中心にチャンピオンやランキングを認定するようになったのだ。 また、試合時間も3分5ラウンド、インターバル2分が大原則で、K-1が定着させた3ラウンド制を組むことはなかったが、いまやタイでも当たり前のように3ラウンドの試合が行われるようになった。さらにシンガポールに拠点を置く格闘技プロモーション『ONE Championship』がルンピニーで定期戦を始めると、タイでは初めてとなるMMA(総合格闘技)の試合が組まれるようになり、オープンフィンガーグローブ着用によるムエタイもスタートさせた。 それだけではない。コロナ禍以前、ムエタイの興行に集まる地元民はギャンブラーばかりだったが、現在はギャンブラーの入場を禁止し、選手に黄色い声援を送る若い女性を取り込む興行も出てきた。タイの国民的英雄ブアカーオ・バンチャメークを相手にラジャダムナンのビッグマッチ『RWS』(ラジャダムナン・ワールドシリーズ)のリングに上がった三浦孝太は、そのパイオニアといえる。
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