国民97%が「しあわせ」と答えるブータン王国 上野の森美術館で展覧会開催
「ブータンーしあわせに生きるためのヒントー」が21日~7月18日まで、上野の森美術館(台東区上野公園1-2)で開催されている。 ヒマラヤ山脈の南に位置するブータン王国は、面積は日本の九州と同程度の小国であるが、未開の自然が残る豊かな国。1972年に第4代国王が「国民総幸福」を提唱し、2005年の国勢調査では「幸せ」と回答した人が約97%を占めたという。 同展ではブータンの暮らしの中にある伝統文化を3章で紹介している。「ブータン的生活様式」では手織りの民族衣装や装身具、生活用品を、「ブータン仏教と信仰」では仏像や仏画(タンカ)、宗教楽器を展示。「愛されるブータン王室」では、初代国王から現国王までのブータン王室の衣装が見られる。 また壁面の随所に人気イラストレーター松尾たいこさんが描いたイラストとともに「幸せになるコツは今の自分に満足することです」など、優しく心にしみ渡るブータンの格言が紹介されている。それを読んでいるといつの間にか心が穏やかになっていく気がした。
20日に開催された報道機関向けの内覧会では、音声ガイドを担当する女優の鶴田真由さんがブータンの民族衣装、キラをまとって登壇した。 手織りで1日わずか10センチほどしかできない衣装について、 「ずっしり重厚感を感じています。実際、着てみると色が鮮やかに見えます。着物に似ているせいかしっくり違和感なく着られます」と感想を述べた。 鶴田さんは8年前のプライベートでブータンを旅した。民主化直後に訪れ、変わっていく前の姿を目にとどめておきたかったのと、国民の多くが幸せと思っている、根底には何があるのか、に興味があったという。先日、テレビ番組の収録のため、再訪した際には国王にも拝謁でき、街中の国民とも気軽に会話をされる気さくな人柄に触れることができたそうだ。国民の中には「国王がいてくれることがしあわせ」「王子が生まれたことがしあわせ」と語る人がいて、ブータン王室がいかに愛されいるかを感じることができたという。
同展の入場券は一般1400円(1100円)、大学・高校生1000円(700円)、小中学生600円(300円)※( )は20名以上の団体料金。開館時間は午前10時~午後5時※最終入場は閉館の30分前まで。会期中は無休。詳しくはホームページにて。