2025年、闇バイト事件は凶悪化する…黒幕を知る人物が話した「驚愕の事実」
詐欺グループ丸ごと販売
筆者は前出のオルネク氏に、「私がダークウェブ上で闇バイトに応募することも可能なのか」と質問してみた。 すると、「アップロードされたファイルにデバイス情報や位置情報が含まれていたり、匿名ツールを正しく設定できずにIPアドレスなどの位置情報が漏れていたり、暗号化の管理が甘かったりと、第三者に個人情報を与えてしまうことがある。お前の場合、住所も特定できてしまうからリスクもつきまとう」と言われた。 ダークウェブは匿名性がベースになっていても、そこに集う連中の技術力はさらに高いということなのだろう。 オルネク氏が続ける。 「闇バイトに限らず、ダークウェブ上では様々な犯罪が募集されている。指示しているのがマフィアやヤクザとは限らず、引きこもりのパソコンオタクというケースも少なくない。IT技術に長けていることが、現代の犯罪者の第一条件になっている」 少しダークウェブをのぞいただけでも、犯罪募集やマニュアルは無数に見つかる。 マニラ・モリオネス警察署の元捜査官ジョセフ・ガルシア氏は「偽物の情報も含まれているが」と前置きしたうえで、こう解説する。 「ダークウェブを見ていると、『詐欺グループ丸ごと販売』といった犯罪集団と犯行のマニュアルがセットで売りに出されているケースも出てきている。どうやってそんなものが売れるのかは不明だが、いままでのように実行犯から黒幕をたどっていくという捜査が極めて難しくなっているのは確かだ。 海外に比べるとまだまだ日本はダークウェブを使った犯罪の件数は少ない。表の世界でグローバル化が進むように、裏の世界でもグローバル化が進んで、凶悪な犯罪がより身近な場所で頻繁に起こる未来だってあり得るだろう」 「闇バイト」求人がSNS上で溢れ、若者たちが応募してしまう問題には、経済格差や社会的孤立といった背景が存在している。しかし、実行犯たちが次々と逮捕される一方で、究極の知能犯が今後も凶悪犯罪を操っていくのだとしたら非常に恐ろしい現象だ。 「週刊現代」2024年12月7・14日合併号より
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