2025年、闇バイト事件は凶悪化する…黒幕を知る人物が話した「驚愕の事実」
首都圏を中心に頻発する「闇バイト」事件。犯人を逮捕しても事件報道は止まず、事態は深刻化している。凶悪犯罪を組織する黒幕はどのような手口を使っているのか。気鋭のジャーナリストが迫る。 【マンガ】外国人ドライバーが岡山県の道路で「日本やばい」と驚愕したワケ 取材/文・片岡亮 前編記事『JPドラゴンの上に“黒幕”がいる…「ほんとうの指示役」が決して捕まらない驚愕の方法』より続く。
黒幕候補の驚きの実態
アイルランド出身の世界的な麻薬王、ダニエル・キナハン。 「JPドラゴン」とのつながりは定かではないが、世界中の組織に犯罪の手引きをしていると言われている。ダークウェブの利用者のオルネク氏が事情を良く知っているという。 「彼はヨーロッパのコカイン密輸の約3割を牛耳り、世界中で資産凍結されてもなお多額の隠し財産を持っている。銃器や麻薬の密売の際にダークウェブを用いていると言われ、FBIにキナハンの親族や友人を含めた約600人のアメリカ入国禁止を発令されているため、現在はドバイの大豪邸で暮らしている。 キナハンの側近には『ダークウェブマスター』と呼ばれる人物がいる。闇バイトをはじめとした犯罪行為で実際に動いているのはその男だろう。キナハンは有名ボクサーとの交友をSNSで明かすなどかなりの目立ちたがり屋だが、マスターは決して表舞台には出てこない」 実行犯が逮捕されても自分につながらないよう、黒幕は痕跡を一切残さない。できる限り、外部とのかかわりも断絶しようとする。 「ダークウェブ上でのやり取りでも、必要な情報以外は絶対にもらさない。日常生活で知り合った人にも、素性は明かさないと言われている」(オルネク氏) 黒幕は、大元の指示をダークウェブ上で行えば、実際の犯行時の手段は指示役に任せることができる。つまり、国外に拠点を置きながら日本で行う犯罪の指揮をとることができるのだ。このことが捜査を一層困難にしているという。 「JPドラゴンのように拠点が日本国外の場合、インターポールや各国のサイバー捜査当局が協力しても、管轄権やデータ共有の壁があるなど、国際的な法的枠組みが追いついていない側面もある。フィリピン現地警察はJPドラゴンやルフィグループの携帯電話を押収し、解析したが、奴らのIT技術は我々の上を行っている。黒幕の存在につながるような証拠は見つけられなかった」(前出・ガルシア氏)