日蓮聖人の縁で立正大学学園と包括協定 教育・文化振興などに期待 鴨川(千葉県)
鴨川市は、日蓮宗の宗祖、日蓮聖人と縁がある学校法人立正大学学園と「連携協力に関する包括協定」を結んだ。25日に市役所で締結式が開かれ、長谷川孝夫市長と生駒雅幸理事長が、協定書にサインした。 同法人は明治5年、日蓮宗の「小教院」(宗教院)として創設されたのが始まり。現在は、9学部16学科7研究科を持つ総合大学の立正大学(大学院生を含む学生数1万448人)、付属中学校(生徒数487人)、同高等学校(同1086人)を運営している。 同市との縁は、令和元年と2年に同市小湊地区で実施された日蓮聖人生誕地調査に、寺尾英智学長(調査時は仏教学部教授)が協力。5年2月に開催した「日蓮聖人ご生誕800年記念シンポジウム」にも、寺尾学長がパネリストとして参加するなどしている。 協定は▽地域活性化▽地域をフィールドとした教育・文化活動の振興▽施設の相互利用▽地域景観や伝統文化の保護・育成――などに関する8項目。 具体的な取り組みとして、同大の持つ優れた教育機能を活用した鴨川市民への生涯学習講座の開講、同市の宿泊やスポーツ施設を利用した学生、生徒のフィールドワーク、教職員の研修などが考えられている。 協定締結後、長谷川市長は「日蓮聖人の生誕地、立教開宗の地である本市にとって、日蓮聖人は未来永劫(えいごう)、語り継いでいくべき大偉人。地域社会の発展と、人材の育成に協力をお願いします」などとあいさつ。 生駒理事長は「立正大学の精神的なルーツは日蓮聖人。建学精神の『真実』『正義』『和平』の言葉に表されている。一方通行ではなく、手を携えて相互の発展につなげたい」などと述べた。