夏は気が付くと「しなしな野菜」になり、傷んでしまって捨ててしまいます。物価が高いので少しでも「食品ロス」を減らすコツを教えてください。
夏は食品が傷む速度が速いうえに、保存も難しい季節です。食べられなくなって捨てるケースが多くなりがちですが、食品ロスの観点から可能なかぎり減らすべきといえます。物価高が著しい昨今において、食品ロスは食費の無駄遣いと同義となるでしょう。裏を返せば、食品ロスを極力抑えることは食費の節約につながります。 そこで、本記事では食品ロスの問題点や捨ててしまいがちな食材、食品ロスを減らすための方法などを解説します。 ▼職場のランチ代節約したい!「おにぎり」だけは栄養的にNG? 節約効果も検証
食品ロスとは
食品ロスとは、本来食べられるにも関わらず、捨てられる食品のことです。消費者庁によると、食品廃棄物は食べられる可食部と食べられない不可食部に細分化されています。例えば、魚の骨や野菜の皮などは調理くずに該当し、不可食部に分類されています。食品を捨てる行為全てが、食品ロスになるわけではありません。 一方、未使用の食品や食べ残しはもちろん、野菜の皮を厚くむき過ぎるなど、過剰に除去してしまった食品も食品ロスに該当するため、注意が必要です。食品ロスにあたるか考える場合には、「食べられるかどうか」がひとつの基準になります。
食品ロスの量
農林水産省によると、日本における食品ロスの量(令和4年度推計値)は年間で約472万トンとされており、国民1人あたり約38キログラムになる計算です。1日単位で考えると約103グラム、おにぎり約1個のご飯分の食品が無駄になっているといえます。 ただし、この数字は事業者から発生するものも含まれています。家庭のみの場合は、年間で約236万トンです。
食品ロスになりがちな食材
ハウス食品グループ株式会社が実施した「食品ロスに関するアンケート調査結果(第五回)」(調査期間:2022年5月、調査対象:全国 10~90 代男女7226名)によると、長期保存に向かない食品や室温などの環境に影響されやすい食品が捨てられがちです。 アンケートによる「捨ててしまいがちな食品食材」の上位5品目は、以下の通りです。 ●野菜類 ●調味料・油 ●果物 ●日配品(豆腐や納豆など) ●漬物・佃煮 アンケートでは、「最近捨ててしまった食材」についても調査されており、上位5品目は以下の通りです。 ●キャベツ ●きゅうり ●もやし ●レタス ●パン・食パン 実際に捨てた食材のなかでも、傷みやすくて日持ちしにくい野菜が多くを占めています。野菜は一度の買い物で多くの量を購入することが多く、使い切れずに処分するケースが多い点も理由のひとつに考えられます。