竹内涼真、朝倉未来との格闘練習で知った「殴られる気持ち」 演技に生きた“プロ”の思考
熱量の高い撮影現場は「自分にとって一番の財産」
今作は桐生たちが極道の世界に身を置くことになる1995年と、その10年後の2005年の2つの時間軸を交差させながら描かれ、時代の違いも表現されているという。河合は、自身が演じた由美のスタイリングも含めて「すごくこだわっている」と明かし、「由美の2005年の衣装は採寸して体に合わせてほぼ作ってもらいました。95年ではなんとも垢抜けない絶妙なドレスを集めてくださったりでした」と感心する。 また、竹内は監督をはじめとした撮影スタッフ、出演者も含め「今回集まったみなさんの熱量がすごかった」と振り返り、充実感をにじませる。 「毎回、役へのアプローチの仕方は違うから“これだ”という明確なものは分からないんですけど、これほどの熱量がある現場を半年間ほど経験できたことが、自分にとっての一番の財産になりました」 一方の河合も今年はドラマ『不適切にもほどがある!』で注目を浴び、映画『あんのこと』、『ナミビアの砂漠』と主演作も続いた。“ヤクザ映画”でもある濃い現場だった今回の撮影を通して「すごく勉強になった」と得るものも多くあった。 「共演する皆さんのお芝居を見たり、完成したものを見たりして、根本的にはどの作品でも、その人間を表現することは同じなんですけど。それでも作品のトーンと集まっている方が作るムードによって、自分のパワーの出力の仕方を絶妙に皆さん調節しているんだなって、今回の現場を経てすごく勉強になりましたね。すごくジャンルとしての色が強いので、そこにどうやって人間の身一つでみんなが役に挑んでるかっていうのをすごく学ばせてもらいました」 話題作への出演が続く2人にとっても貴重な経験となった今作。熱のこもった言葉の端々から、作品にかける思いがにじみ出ていた。 □竹内涼真(たけうち・りょうま)1993年4月26日、東京都出身。2013年に女性ファッション誌『mina』初の男性モデルオーディションでグランプリを獲得。14年にテレビ朝日系『仮面ライダードライブ』で主演を務める。その後、TBS系連続ドラマ『下町ロケット』(14年)、NHK連続テレビ小説『ひよっこ』(17年)、ドラマ『君と世界が終わる日に』シリーズ(21~23年)、『劇場版 君と世界が終わる日にFINAL』(24年)などに出演。 □河合優実(かわい・ゆうみ)2000年12月19日、東京都出身。19年デビュー。21年に映画『サマーフィルムにのって』、『由宇子の天秤』での演技が高く評価され、第43回ヨコハマ映画祭最優秀新人賞、第95回キネマ旬報ベスト・テン新人女優賞などを受賞。24年放送のTBS系連続ドラマ「不適切にもほどがある!』で注目を集める。同年、主演映画『あんのこと』『ルックバック』(声の出演)『ナミビアの砂漠』『八犬伝』も公開され、待機作に映画『敵』『今日の空が一番好き、とまだ言えない僕は』などが控える。
猪俣創平