「阪神を除くセ・リーグ5球団で争奪戦が起きる」楽天を電撃退団した田中将大の移籍先は見つかるのか…ゲームを作る投球術に通算200勝イベントのビジネス的なうまみ
田中は2014年にポスティングでヤンキースへ移籍した際に7年1億5500万ドル(当時のレートで約161億円)の大型契約を結んでおり、一生食うに困らない札束を得た。1億円を超える減額が問題になったわけではないのだろう。 では、田中が希望する他球団でのプレーは実現するのか。 前出の評論家は「今季1試合だけの登板を見たが、全盛期のようなスピードや球威はなくなっていた。ただスプリット、スライダーの制球力、なにより投球術があるので、パワー野球でなければ通用しないパ・リーグよりもセ・リーグ向きだと思う。ソフトバンクから阪神に移籍して2年連続で2桁勝利をあげた大竹耕太郎がいい例。セ・リーグなら十分に先発ローテーで通用すると思う」という意見を述べた。 9月のオリックス戦ではストレートの最速が147キロ。ストレートの平均球速は143キロ程度で、完全復活には程遠い内容だった。36歳の年齢からくる限界なのか、いやまだ通用するのか。意見が別れるところだろうが、ツーシームを多用するなど「打たせて取る」投球スタイルへ変貌する兆候は見えた。ゲームは作れるので、田中がYouTubeで明かしたように、コンディションが上向きで、年間を通じて健康を維持できるのならローテーとしての計算は立つだろう。 その上で同評論家は移籍の可能性のある球団をリストアップした。 「先発ローテーが足りないのは、ヤクルト、横浜DeNAの2球団だが、巨人は菅野智之、広島は九里亜蓮、中日は小笠原慎之介がメジャー挑戦を表明していて軸となっていた先発投手が1人抜ける。もしマー君を獲得できるならその抜けた穴を埋めるピッタリの補強になるのではないか。マー君の人気や、影響力を考えると戦力以上のプラスアルファもある。通算200勝のイベントで話題も作れるしビジネス的なうまみもある。阪神を除くセ・リーグ5球団の争奪戦になると思う。ポイントは資金力とチーム環境。リスクはあるが、誠意として楽天が提示した以上の金額をベースに出来高払いをプラスして150イニングに10桁勝利をクリアすれば3億円に届くような条件を提示できなければならないと思う。そこまでやれるのは巨人か横浜DeNAくらいしかないのかもしれない」 同氏が指摘するように“下剋上”日本一を果たした横浜DeNAも、先発で計算の立つのは、東克樹、ジャクソン、ケイの3人だけ。ヤクルトにいたっては、今季2桁を勝った先発投手は1人もいない。 リーグ優勝した巨人も15勝3敗の菅野が、海外FAでメジャーに移籍することは、ほぼ確実で、その穴を埋めるメドは立っておらず、同じく九里が海外FA権を行使した広島、左腕の小笠原のポスティングによるメジャー挑戦を認めた中日も、マー君は、喉から手が出るほど欲しい人材だろう。 巨人の阿部監督は、日本代表時代から、マー君をよく知っているし、中日は、ソフトバンクを退団した松坂大輔を再生させた例を持つ。果たしてマー君は来季どこの球団のユニホームを着ているのだろうか。 (文責・RONSPO編集部)