RB角田選手のピットクルーの仕事ぶりにみた「いつも通りの仕事をいつも通りにやることの大切さ」【堂本光一 コンマ一秒の恍惚Web】
連載【堂本光一 コンマ一秒の恍惚Web】RACE6 初めての春開催となった鈴鹿サーキット(三重県鈴鹿市)での第4戦日本GP。3日間で22万9000人の観客を集め、大いに盛り上がった。レースはホンダのパワーユニット(PU)を搭載するレッドブルが圧倒的な強さを見せ、ワンツー・フィニッシュを決めた。 【写真】母国GPで入賞を飾った角田選手 日本期待の角田裕毅(つのだ・ゆうき)選手は10位で完走し、自身3回目の母国GPで初入賞を飾った。日本人ドライバーが日本GPで入賞するのは、2012年に3位表彰台を獲得した小林可夢偉(こばやし・かむい)選手以来12年ぶりの快挙だった。 * * * ■フェラーリのマシンは確実によくなっている 春の鈴鹿はサーキットに桜が咲いていて、決勝は天候もよく、現地で見ているファンの方にとっては最高だったと思います。鈴鹿は車体とPUの総合力が試されるサーキットで、各チームの実力はもちろん、弱点も露呈します。ですから、シーズン序盤の4戦目にして勢力図がはっきりと見えたレースでした。 今シーズンもレッドブルが頂点に立ち、続いてフェラーリ、さらにメルセデス、マクラーレン、アストンマーティンの3チームが団子状態になっているという構図です。上位5チームの顔ぶれは昨シーズンから変わっていません。 鈴鹿でも、レッドブルとマックス・フェルスタッペン選手は異次元でした。金曜日のフリー走行から圧倒的な速さを披露し、その時点で「勝負あったな」という印象でした。鈴鹿ではセルジオ・ペレス選手も安定して速く、日本GPでレッドブルは早くも今季3度目のワンツー・フィニッシュを達成し、盤石の強さを見せています。 春に移行した日本GPですが、予選が行なわれた土曜日は涼しかったのですが、レース当日は気温が20度を超え、路面温度は40度を超えるなど昨年秋の日本GPよりも高かった。メルセデスやマクラーレンのマシンは温度変化の影響を受けて、決勝ではタイヤをうまく使うことができませんでした。両チームの弱点や課題も見えたレースだったと思います。 タイヤの使い方に関して、フェラーリは昨年に比べると明らかによくなっています。前回のコラムで、鈴鹿でフェラーリの本当の実力がわかると話しましたが、間違いなくマシン開発はいい方向に進んでいるように見えます。今シーズンのチーム戦略も悪くなく、これからが楽しみです。