センスがいい人は自然とやっている…「エレベーター内の気まずい空気」をサラッと変える魔法の"声かけ"
■人は手を貸した相手のことを好ましく思う 「不協和」というのは、自分の中で矛盾が生まれるということです。相手のことが嫌いだったら、手を貸したという行為に気持ちと行動の矛盾が生じます。矛盾を感じることは居心地の悪さにつながるので、人にとって好ましい状態ではないため避けようとします。 そこで、「認知」、つまり考え方を転換させようとするわけです。好きだから手を貸したのだと思えば矛盾がなくなり、心地が良いですよね。だから手を貸した相手のことを好ましく思うことが多いのです。 とはいえ、あんまり大きな頼みごとをするのは相手の負担を大きくして、かえって不快な気持ちを生み出してしまう可能性もあるので、あくまでも“小さな頼みごと”をするのがポイントです。 「ちょっと教えてください」 「ちょっと聞いても良いですか」 「ちょっとだけ力をお借りしたいのですが」 もちろん、頻繁すぎて迷惑がられては元も子もないので、なんでもかんでもということではありません。 もしも相手との距離感に悩んだら、なにか困ったことがあった時に、まずは少しだけ勇気を出して、小さなお願いをしてみてください。そうしていくうちにだんだんお互いの好意が高まり、生まれてしまった溝を埋め、たとえば気分に合わせてランチタイムに声をかけ合うことや、仕事や日常のコミュニケーションも、もっと楽になっていきますよ。 ---------- 【point】 「ちょっと教えてほしいことがあるのですが」で、接触回数を増やすことから始めよう ---------- ---------- 山本 衣奈子(やまもと・えなこ) 産業カウンセラー、E-ComWorks代表 「伝わる伝え方」の研究を重ねながらサービス業、接客、受付、営業、クレーム応対等の業務にて30社以上に勤務。コミュニケーション術の講師として企業や官公庁を中心に、コミュニケーション研修、プレゼンテーション研修、セルフマネジメント研修、マナー研修等を実施。年間180回近い企業研修や講演を行う。 ----------
産業カウンセラー、E-ComWorks代表 山本 衣奈子