センスがいい人は自然とやっている…「エレベーター内の気まずい空気」をサラッと変える魔法の"声かけ"
■「ピークエンドの法則」で印象を逆転する 心理学の用語に「ピークエンドの法則」というものがあります。これは「ある出来事に対し、人の記憶や印象に最も強く残るのは、感情が最も高まった時(ピーク)と、最後(エンド)の部分である」という法則で、心理学者および行動経済学者のダニエル・カーネマンによって提唱されました。 たとえば、大混雑のテーマパークで、アトラクションに乗るために何時間も行列に並ぶのは、退屈だったり身体がしんどかったりと、大きなストレスになるかもしれません。 けれども、いざ自分の番になり、そのアトラクションに乗ってテンションが上がり、最後はさわやかな気分で降りることができると、その前の行列のつらさより、上がったテンションや終わった時の爽快感の方が強く印象に残ります。だからこそ、長い行列に再び並ぼうという気にもなれるわけです。 つまり、人の印象や記憶というのは、出来事のすべてを通して生まれているのではないということです。ですから、たとえばエレベーターの中で気まずい時間が流れたとしても、最後の印象を意識することで、すべてをリカバリーすることも可能だと言えます。 ■大切にしたいのは、去り際の一言 「会話」をしなければと思うほど、なにを話したら良いだろう、なにを聞いたら良いだろうとあれこれ考えすぎてしまうことがあります。 でも、実は「会話」がなくとも、「去り際の一言」があれば、人間関係を円滑に保つことは十分に可能です。たとえば、そのエレベーターを相手が先に降りるなら、「開」のボタンを押しながら「どうぞ」とニッコリする、自分が先に降りるなら、「お先に失礼します」と一言伝えて会釈する、これだけでも相手に伝わる印象は変わります。 相手からの反応や返事を意識しすぎるから、話しかけることが怖くなったり躊躇してしまったりするのです。たった一言で良いので、言葉をそこに“置いてくる”感覚で口にしてみると、「ああすれば良かった」という後悔も少なくしていくことができますよ。 ---------- 【point】 「会話」ができなくても最後の「どうぞ」があれば大丈夫 ----------