尽誠学園、光った積極打 菊地、初球打ち走者一掃 速球対策が奏功 交流試合
◇○尽誠学園8-1智弁和歌山● 2020年甲子園高校野球交流試合は最終日の17日、兵庫県西宮市の阪神甲子園球場で行われ、第2試合で尽誠学園(香川)は智弁和歌山に8―1で快勝した。 【写真特集】特別な夏・智弁和歌山vs尽誠学園 ◇ど真ん中の直球を思い切り 初球の吸い込まれるようにど真ん中に入ってきた直球を思い切りたたいた。二回1死満塁。ぐんと伸びた白球が左中間深くで弾んだ。「いい感じで当てられたので抜けたなと思った」。尽誠学園の1番・菊地は走者一掃の勝ち越し二塁打をかっ飛ばし、右拳を突き上げた。 この回、一挙5得点。光ったのは積極性だ。智弁和歌山の先発・大林から放った4長短打はすべて3球以内。中前打を放った2番・井脇は「どんどん振っていこうと、みんな気持ちが高まっていた」。一方、相手捕手の石平は「ビデオを見たら1球目は見送る感じだったのに、違っていた」。早めにストライクを欲しがった相手バッテリーを尻目に、持ち味の強打を浴びせた。 ただ、やみくもに振ったわけではない。尽誠学園は「最後の試合」に向け、相手リリーフで150キロ超を投げる小林樹対策として、速度を150キロまで上げた投球マシンで約1時間、ひたすら見ることで目や体感を慣らすトレーニングを続けてきた。「150キロを見ていたおかげで、ボールが見えてミートできた」と菊地。速球が130キロ程度の大林には、しっかり甘い球を見極めて攻略に成功した。 準優勝した昨秋の四国大会では計3回の打者一巡をマーク。好機での集中力は、夏も健在だった。「選手たちが練習してきた成果が表れた」と満足顔の西村監督。「強打の智弁」のお株を奪う13安打で8得点を奪い、18年ぶりに甲子園に校歌を響かせた。【新井隆一】