漫画などの海賊版サイト、ドメインホッピングで巨大化…「ただ読み」被害額は過去最悪1500億円
インターネットに日本の漫画などを無断掲載する海賊版サイトの被害が急増し、11月は上位10サイトの1か月間のアクセス数が過去最悪の約5億4000万に上り、紙の本に換算した「ただ読み」された額も、過去最悪の約1500億円分だったことが分かった。出版社や通信事業者などで作る海賊版対策団体「ABJ」がまとめた。 【図】一目でわかる…海賊版サイト「漫画村」の仕組み
日本国内からのアクセス数が多い上位10サイトの合計アクセス数は、2021年12月に約4億で当時として過去最悪になった。複数の巨大サイトが閉鎖に追い込まれたことで急減し、今年初めは月間1億ほどで推移していたが、7月頃から急増した。
急増した原因には、海賊版サイトがインターネット上の住所にあたるドメインを短期間に次々と変える「ドメインホッピング」を頻繁に繰り返すようになり、利用者もドメインが変わった新サイトに迅速に移り、上位10サイトがそれぞれ巨大化したことがあるとみられる。
海賊版サイトは現在、1200ほど確認されており、ほとんどの運営者はベトナムなど海外にいるとみられ、摘発が進んでいない。
ABJの伊東敦・広報部会長(集英社編集総務部参与)は「残念ながら伸びを抑え込めていないのが実情。各国の当局が巨大サイトの運営者を逮捕するなどすれば抑止効果があるはずで、関係者に働きかける努力を続ける」と話している。