「プリキュア」と共に歩んだ二十歳の娘へ。「自分の選んだコスチュームで、自分の道を凛々しく歩め」
78通りのコスチューム、78通りの道
プリキュアのコスチュームは細部にまでこだわります。足元1つをとっても、ヒールの子、ショートブーツの子、ニーハイブーツの子、色も形も全員が個性的です。シリーズによってはブーツによって足音すら変えていることもこの本に書かれています。 チーム感を出すためのお揃いのコスチュームでも、それぞれ個性が光るポイントが用意されていますし、ショートヘアの子どももプリキュアになれるよう、短い髪のプリキュアがいるシリーズもあります。 今や男の子だってプリキュアになれるようになりました。いや、人間に限らず、妖精もアンドロイドも宇宙人も、人魚も、赤ちゃんもプリキュアになれる時代なのです。「お母さん」「お父さん」がプリキュアになったこともあるのです。だからあなたもきっとプリキュアになれるはずです。 この本に描かれている78人のプリキュアたちは、78通りのコスチュームに身を包み、78通りの道を歩んでいます。1つとして同じ道はありません。それぞれの意思でそれぞれの道を選び、未来を選択しているのです。
20年間、寄り添ってくれていた
プリキュアたちに1つとして同じ道がないように、わが娘も他の誰でもない彼女自身の道を歩んできました。娘の20年には、いつもプリキュアが寄り添ってくれていました。 5歳のころ『Yes!プリキュア5GoGo!』(2008)の「ミルキィローズ」が大好きで、いつもプリキュアごっこをやっていました。ミルキィローズの特徴である胸元の大きな青いバラは、ママが折り紙で作ってくれました。 6歳になると、今度は『フレッシュプリキュア!』(2009)の「キュアパイン」に夢中になっていました。キュアパインは“パインフルート”っていうフルート型の武器で戦うのですけど、その影響なのか中学生になると、娘は吹奏楽部に入り本物のフルートを吹きコンクールを目指していました。金賞、よかったね。
娘はプリキュアを卒業したけれど…
成長するに従い、娘はプリキュアをいつのまにか卒業してしまい、父だけが現役で見続けることになるのですけど、娘の心の奥にはプリキュアがひっそり潜んでいたようです。 家族でカラオケに行くと、娘はいつもプリキュアの歌を歌います。一緒に歌う「Alright!ハートキャッチプリキュア!」は、いつもパパが合いの手を入れる役なのです。 娘が14歳の時、過去のプリキュアが大集合する『映画HUGっと!プリキュア♡ふたりはプリキュア オールスターズメモリーズ』(2018)を一緒に観に行きました。ミルキィローズやキュアパインに再び出会えて嬉しそうな娘の顔を今でも覚えています。その時、映画館でもらったプリキュアを応援するアイテム「ミラクルライト」は今でも僕の宝物です。 大切な思い出には、いつも「プリキュア」がいました。