《ブラジル》診察した40分後に幼児死亡=点滴求める母親に「医者は私」
1歳半の男児が救急診療所(UPA)で診察を受け、医師から帰宅の許可を受けてから40分後に死亡した。子供の母親は、診察した医師が彼女の訴えを無視し、適切な処置を行わなかったために息子の命が奪われたと主張、現在警察が捜査している。男児の死因に関する報告書は30日以内に公表される予定だと19日付G1サイトが報じた。 事件はサンパウロ州内陸部のモコカ市で起こった。母親カミラ・ソウザさんは、息子のテオくんが喉の痛み、食欲不振、衰弱の症状を示したため、12日(金)と14日(日)の2回、UPAに連れて行った。 金曜日に初めてUPAを訪れたとき、当直医は口内炎と診断し、投薬治療を行った。次の日も、テオくんはまだぐずっていたが、その日は1日様子を見ることにした。 だがテオくんは食事をとらず衰弱していたため、カミラさんは日曜日に再びUPAに連れて行った。レントゲンを撮ったところ、テオくんの肺の中に粘液がみられた。母親は「息子が悪寒(おかん)を感じている」と伝えると、医師はセーターを着せるよう指示しただけだった。母親は医師に子供に点滴を投与するよう頼んだが拒否され、今度は抗生物質の注射も求めたが、これも拒否された。 その後、医師から帰宅の許可を受け、カミラさんの姉の迎えを待っている間に、テオくんは母親の腕の中で息を引き取った。母親は急いでにUPAに戻ったが、息子が息を吹き返すことはなかった。 「あの時、医師は処方箋を書きながら私の顔を見て『医者は私であり、この薬は彼が服用すべき唯一の薬だ』と小馬鹿にしたように言ったんです。医師は子供を診る気など微塵もなく、その大切な命を救うために必要な注意を払ってくれなかった。もし医師が私の訴えに耳を傾けてくれていたら、息子の死を防ぐことができたかもしれない」と辛い胸中を吐露した。 カミラさんは19日に警察に被害届を提出した。すでに弁護士を雇い、訴訟を検討しているという。「正義を貫くために、全力を尽します」と彼女はSNSに投稿した。 テオくんの遺体は鑑識に回され、死因については30日以内に結果が出るという。担当した医師の身元は公表されていない。 UPAを管轄するモコカ市役所は声明で、患者の死を悼むと同時に、「医師による検査や薬の処方などの適切な臨床ケアが提供された」と述べた。