ホンダと旭化成が加車載バッテリー用セパレータの生産協業で合意
(ブルームバーグ): ホンダと旭化成は25日、カナダでの車載バッテリー用セパレータ生産に関する協業について基本合意したと発表した。両社は2024年中の合弁会社設立を目指す。
旭化成の発表によると、カナダ・オンタリオ州で1800億円を投じて新工場を建設し、27年の稼働を目指す。同日都内で開いた会見で、工藤幸四郎社長は、合弁への出資比率については旭化成が過半を持つ予定だと説明した。ホンダの出資額などについては今後協議して決める。
電気自動車(EV)を巡っては米国などで需要鈍化も見られるほか、ドナルド・トランプ前大統領の再選による政策変更のリスクもある。一方で工藤社長は、北米のゼロエミッション車市場は短期で成長が鈍化しても「中長期では成長すると予想している」と強調。
トランプ前大統領の再選で多少影響があったとしても、インフレ削減法(IRA)を振り出しに戻すということは、経済実態や法体系を鑑みると「なかなか難しいのではないか」とした。
ホンダとの協業とは別に、旭化成は加リチウムイオン電池用セパレータ工場建設を巡り、日本政策投資銀行に優先株を発行して280億円の資金提供を受けると公表。カナダ連邦政府、オンタリオ州政府から補助金・税優遇なども受ける予定だ。
工藤社長は、セパレータは以前の収益性が高いニッチなビジネスから、規模拡大や世界展開が求められる事業に変わってきていると説明。投資負担が重たくなる中、ホンダなどと協業することで投資のリスクを引き下げる狙いだ。
リチウムイオン電池用セパレータ事業について31年度には売上高1600億円、営業利益率20%以上を目指す。今回の1期目の投資だけでなく、2期目や3期目も見据えているとしている。
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Natsuko Katsuki