来年活躍するのはこの馬!どこよりも早い「25年度JRA賞」予想 ドウデュースが去った古馬王道路線の主役は?
いろいろあった2024年度のJRA。年内すべてのレースが終わった後は、例年同様、JRA賞に輝くのはどの馬かという“答え合わせ”の議論になる。そんな中、1年をすっ飛ばして「2025年度」のJRA賞をどこよりも早く予想しようというのが当欄。つまりは、来年活躍するのはどの馬か?ということだ。予言者になっていただくのは今年も中村均・元日本調教師会会長。昨年の反省も含め、大いに語っていただこう。 【写真】2着同着の大激戦となったジャパンカップ
中村均元調教師が大予想
来年、古馬王道路線の主役になるのはシンエンペラーとみています。確かにダービー馬ダノンデサイルも強力。ただ、ダノンはダービー、有馬記念など、鞍上の横山典弘君が完璧にレースをした印象がある一方で、シンエンペラーはまだまだ隠された武器があると思うのです。この馬、どのレースを見ても思うのですが、ゴール手前の残り50メートルのあたりから再度エンジンが点火してグイグイ伸びてくる。全力を出し切ったレースというのは案外少ないのではと思っています。ジャパンカップでも「これは3着が精一杯かな」というところからグイグイ伸びて2着。あと何完歩かあればドウデュースをかわしていたのではと思います。 体を見てもまだまだ成長の余地がありますし、競馬センスもいい。来年のジャパンカップ、有馬記念なんて主役として出てくるんじゃないでしょうか。矢作厩舎の管理馬ですから海外遠征もあるでしょう。3歳時、すでにその経験も積んでいますし、海の向こうから吉報も届けてくれそう。最優秀4歳以上牡馬のタイトルとともに年度代表馬に最も近い存在なのではないでしょうか。
揺るぎないダービー最有力候補
最優秀3歳牡馬はやはりクロワデュノールです。父キタサンブラックに似た好馬体で、父の産駒イクイノックスにもどことなく似ています。本当にキタサンブラックという種牡馬はいい子を出します。まだ、父やイクイノックスと比べると線の細さがありますので、そのあたりの成長が3歳になって見られたら、より大物感が増すでしょう。デビューから2戦続けて東京を使ってきた意味、その走りっぷりを見ればこの馬の良さは府中でこそ生きる。たとえ、他の競馬場で負けたとしても、ダービーの最有力候補に揺るぎありません。 最優秀3歳牝馬はちょっと穴めを狙ってビップデイジーはいかがでしょう。毎回人気をしないですが、実にしぶとい脚を使う。小さな馬ですが、お尻が大きくて、これはそれだけトモの力が強いということ。体がひと回り大きくなれば楽しみです。この馬は軽視しないほうがいいと思います。 他にもJRA賞の候補を挙げさせていただきましたが、最後に一つ言いたいのはなんとかナムラクレアが最優秀スプリンターの座を射止めてほしいということです。私の弟子である長谷川調教師が管理し、ウチの厩舎で献身的に働いてくれた疋田厩務員が担当ということでいつも応援している馬。これまでビッグレースでは惜敗が続きましたが、とにかく暮れの阪神Cがメチャクチャ強かった。別の馬かと思うぐらいの末脚でした。ルメールが高松宮記念も乗るということなら、これまでの悔しさを晴らすような走りがきっと見られる。秋のスプリンターズSを待たずして、2025年最強スプリンター当確というパフォーマンスを見せてくれることを期待しています。