歴代でもっとも多くのM-1予選が行われた会場は?
20回目を迎えた漫才頂上決戦「M-1グランプリ」。今年の決勝ではエバース、ジョックロック、真空ジェシカ、ダイタク、トム・ブラウン、バッテリィズ、ママタルト、ヤーレンズ、令和ロマンの9組に敗者復活組を加えた計10組が新チャンピオンを目指して激突する。 【動画】「M-1グランプリ」1回戦 沖縄会場の様子(他14件) 「(たぶん)まだ誰も調査していないM-1データ」はM-1を独自の目線で振り返る、この時期限定の企画。今回は2001年から2024年までの予選を調査し、「予選が行われた会場ランキングTOP30」を作成した。あなたの思い出の会場は何位? 文 / 塚越嵩大 ※1日に2公演分の予選が行われた場合は2回としてカウント。また改名やリニューアルされた劇場はまとめて1つの会場として扱う。 ■ 29位(8回 / 同率3会場) □ 京都・よしもと祇園花月 2015~2020年、2023年、2024年に3回戦の会場として使用された。2019年王者・ミルクボーイが同年の3回戦で“伝説級にウケた”会場としても知られており、後に内海は「これを超えるウケはもうないと思った。祇園花月が閉館すると思った。劇場が役目を終えたと思った」とコメントしている。 □ 広島・YMCA国際文化ホール 2015~2018年、2021~2024年の1回戦の広島会場。2023年と2024年には長名のアマチュアコンビ「もし恋という感情に匂いがついていたとしたら、この世に片想いは存在していなかったかもしれない」を2回戦に送り出している。 □ 福岡・よしもと福岡 大和証券劇場 2020年7月にオープンし、2021年より1回戦の福岡会場として使用されている劇場。今年5月に「よしもと福岡 ダイワファンドラップ劇場」より名称を変更している。 ■ 28位(9回) □ 東京・ヨシモト∞ホール 2015年から2023年まで、毎年1回ずつヨシモト∞ホールで1回戦が行われていたが、2024年は実施されなかった。なお大会の開催発表会見はここで実施されることが多い。 ■ 25位(10回 / 同率3会場) □ 埼玉・大宮ラクーンよしもと劇場 大宮セブンを輩出したことでおなじみの劇場。2015年から毎年1回、必ずここで予選が行われている。2020年には王者のマヂカルラブリーが凱旋し、「ほうきを相方に笑いをとる」ことがルールの「H-1グランプリ」(囲碁将棋考案)が展開された。 □ 千葉・よしもと幕張イオンモール劇場 巨大な幕張イオンモール内に構える劇場。こちらも2015年から毎年1回、必ず予選が行われている。今年はコンピューター宇宙、大豆のソコヂカラ、テガシンストの12、骨格ストレートといった面々が出場した。 □ 沖縄・とまりんアネックスビル2階ホール 2015年に初開催された沖縄予選。2024年まで10年連続で使用されているのがこの会場だ。沖縄会場のアットホームさが特徴で、手拍子が起こる速度も早い。この様子は1回戦のネタ動画でも確認できる。 ■ 24位(11回) □ 東京・NEW PIER HALL 準決勝の会場としておなじみのNEW PIER HALL。2016年の準々決勝会場として初めて使用され、2017年からは8年連続で準決勝会場に選ばれている。同会場でファイナリストが発表される様子は「M-1」ファンにはおなじみの光景だ。 ■ 20位(12回 / 同率5会場) □ 東京・KANDA SQUARE HALL 2023年と2024年に3回戦の会場として使用され、それぞれ6公演が行われている。今年はkento fukayaがプロデュースしている芸人アイドルグループ・ZiDolのワンマンライブもここで開催された。 □ 東京・シアターD 1995年から閉館する2016年まで、さまざまな若手芸人の公演が打たれていた劇場。「M-1」のイメージはあまりないかもしれないが、2006年から2010年までは東京1回戦の会場の1つとして使われていた。 □ 広島・エディオン紙屋町ホール(旧よしもと紙屋町劇場) 2001年の第1回大会から広島予選会場として使われ、同県ではもっとも多くの予選が行われている劇場だ。ツーナッカン、フリータイム、メンバー、藩飛礼、ブーゲンビリアといった面々を2回戦に送り出している。 □ 大阪・baseよしもと 若手時代の麒麟、千鳥、笑い飯、ジャルジャル、かまいたち、天竺鼠らがしのぎを削っていた劇場。2006年から2008年まで大阪の1回戦、2回戦の会場を担ったが、以降は使用されず2010年に閉館した。 ■ 19位(14回) □ 東京・よしもと有楽町シアター 2020年8月に誕生し、2023年8月に閉館した劇場。2020年に2回戦、2021年と2022年に3回戦の会場として使われている。2023年に閉館する際、GAG福井は「俺まだ信じてないっすよ」とコメントしていた。 ■ 18位(15回) □ 大阪・ABCホール 「ABCお笑いグランプリ」の準決勝が行われる会場として知られるABCホール。「M-1」では2005年から2009年までの間に1回戦、2回戦、3回戦の会場として使用されていた。2007年は1回戦から3回戦までがABCホールで行われるという大車輪の活躍を見せた。 ■ 17位(17回) □ 愛知・今池ガスホール 芸人の全国ツアーの名古屋会場として使われることが多く、「M-1」では1回戦の名古屋会場としておなじみのホール。2005年に初めて使われ、2024年も名古屋予選が行われた。ちなみに2005年にはアマチュア時代の浜口浜村がこの舞台に立っている。 ■ 16位(18回) □ 大阪・テイジンホール 使用されたのは2015年のみだが、同年の1回戦が13公演、2回戦が5公演行われたためこの順位に食い込んだ。「M-1」復活後一発目の予選はここでスタートしており、見取り図や吉田たちが登場していた。 ■ 14位(19回 / 同率2会場) □ 大阪・よしもと漫才劇場 2015年から2023年まで3回戦の会場として使用されていた(2020年は3回戦が行われなかったため2回戦で使用)。2024年には大阪3回戦の会場がCOOL JAPAN PARK OSAKA TTホールに移っている。 □ 大阪・森ノ宮よしもと漫才劇場(COOL JAPAN PARK OSAKA SSホール) 普段はよしもと漫才劇場の所属メンバーによる企画ライブなどが開催されているホール。2020年から2024年まで大阪2回戦の会場として使われている。大阪城のすぐ近く。 ■ 13位(20回) □ 大阪・なんばグランド花月 吉本興業の看板劇場ともいえる通称NGK。2001年の第1回大会の大阪準決勝の会場として使われ、以降も2009年まで準決勝が行われていた。2010年からは大阪の準々決勝の舞台としておなじみに。NGKのステージに立つのが目標の1つだと語る若手芸人も多い。 ■ 12位(21回) □ 東京・新宿シアターブラッツ 「キングオブコント」の1回戦が行われているイメージが強い劇場だが、M-1でも2016年から2018年までの3年間、1回戦の会場として使用されていた。2018年には「ベストアマチュア賞」の贈賞式も実施されており、完熟フレッシュが登壇。はりけ~んずに記念ジャケットを着させてもらっていた。 ■ 11位(22回) □ 東京・ラフォーレミュージアム原宿 2006年から2010年まで2回戦や3回戦が行われていた劇場。「M-1」休止中は「THE MANZAI」の2回戦会場としてもおなじみだった。 ■ 9位(27回 / 同率2会場) □ 大阪・新世界朝日劇場 2016年と2017年の大阪1回戦の会場として使われた。劇場としての歴史は古く、明治43年に「関西新派上演劇場」として誕生し、2016年に現在の形へとリニューアルされている。 □ 大阪・朝日生命ホール 2019年から2021年まで大阪1回戦の会場として使われ、2019年は2回戦も行われた。ふぉ~ゆ~の福田悠太と辰巳雄大がコンビ「つ~ゆ~」がM-1で初めて漫才を披露した会場はここ。 ■ 8位(37回) □ 東京・パナソニックセンター 2003年から2005年までの3年間、東京の1回戦と2回戦が行われていた会場。2003年は東京の有明にあるパナソニックセンターと有明スタジオで1回戦が同時開催されていた。パナソニックセンターには森三中やアンガールズ、有明スタジオにはどきどきキャンプやカンニングが登場。当時の観客は目当ての複数の芸人がバラけた場合、どちらに行っていたのだろうか。 ■ 7位(45回) □ 大阪・HEP HALL 2008年から2010年までの1回戦と2回戦、2015年の1回戦で使用された。2008年にはアマチュア時代のダブルアート、ツートライブ、金属バットらが登場した。近年は「女芸人No.1決定戦 THE W」の2回戦なども行われている。 ■ 6位(66回) □ 東京・雷5656会館ときわホール 2015~2019年、2021~2024年に東京2回戦の会場として使われている浅草の会場。2階の売店には雷おこしや人形焼が売られており、ほかの会場とは一風変わった趣がある。「M-1の2回戦は浅草」というイメージが強いお笑いファンも多いのでは。 ■ 5位(67回) □ 東京・ルミネtheよしもと 第1回大会から使われており、2001年には東京の1回戦、2回戦、3回戦、準決勝すべてをルミネtheよしもとで開催。「2回戦を勝ち抜いてルミネの舞台に立ちたい」とコメントする芸人も多いが、2001年と2002年はエントリーさえすれば誰でもルミネの舞台に立てていた。初期の「M-1」ではルミネ=準決勝のイメージも強く、同会場のロビーでファイナリストが発表される光景がおなじみだった。 ■ 4位(71回) □ 大阪・ヨシモト∞ホール大阪(旧NGKスタジオ) 第1回大会の1回戦の1日目が行われた、まさに「M-1」が始まった場所。初日にはチュートリアル、笑い飯、千鳥、ダイアン、サバンナ、足軽エンペラー(南海キャンディーズ山里の旧コンビ)、西中サーキット(南海キャンディーズしずちゃんの旧コンビ)など今も第一線で活躍する芸人たちが出場していた。2008年まで1回戦や2回戦の会場を担い、2012年に閉鎖。 ■ 【閑話休題】ランク外の予選会場の豆知識 ・四国地方で予選が行われたことがあるのは2回で、2001年の香川・オリーブホール、2010年の愛媛・松山キティホール。1回戦の香川会場には清水圭の元相方・和泉修とベーブルース高山のコンビ「和泉修・ベーブルース高山」が出場した。2人はケツカッチンとして2008年に準決勝進出を果たしている。 ・2002年に一度だけ、神奈川県で予選が行われた。当時はテツandトモ、Over Drive、U字工事らが合格している。 ・新潟県で2010年と2024年の2回、予選が開催されている。今年は「THE W」セミファイナリストのニコミハジメテが1位通過した。 ・静岡では2001年に1回戦が行われて以来、しばらく予選が開催されていなかったが、22年を経た2023年に静岡予選が復活した。なお2001年には、つばさきよし、ブロードキャストらが合格している。 ・2010年は準決勝を東京・両国国技館で開催。この年は「漫才は国技だ」が合言葉となっていた。 ・今では定番となっている沖縄、埼玉、千葉、京都での予選は2015年が初めて。2010年以前のM-1では1回も行われていない。 ■ 3位(75回) □ 東京・新宿シアターモリエール 2001年に一度だけ東京1回戦の会場として使われて以降15年間使用されていなかったが、2015年から急に多用されることになった会場。2015年から2019年までの4年間だけで1回戦が74公演開催され、2020年からはまた使われなくなっている。ちなみに2001年はロバート、トータルテンボス、クワバタオハラ、ライセンスらが登場した。 ■ 2位(91回) □ 大阪・SPACE 14(旧大丸心斎橋劇場) 2016年から大阪1回戦の主会場を担っている、心斎橋PARCOの14階に位置する劇場。今年だけでも18公演が実施され、もも、牛ぺぺ、チェリー大作戦、例えば炎、侍スライスらが出場している。 ■ 1位(179回) □ 東京・シダックスカルチャーホール(旧TEPCOホール) 2007年に初めて予選が行われ、以降は1回戦の代表的な会場に。2015年から2018年までは使われていなかったが、2019年に再び1回戦の会場となり、2024年はなんと過去最多の28公演が開催された。MCを務めるレギュラーの西川の気絶で1回戦が幕開けするのも定番の光景となっている。