超スラッガーの肖像 「12+1」球団別“最強四番”は?【パ・リーグ編】
楽天・山崎武司 恩師との出会いで打棒復活
【球団在籍時成績】7年=908試合、820安打、191本塁打、568打点、打率.252 1996年に本塁打王を獲得するなど、中日、オリックス在籍時の18年間で211本塁打を記録したスラッガーだったが、2004年限りでオリックスを戦力外に。一度は現役引退を考えるも、田尾安志監督の熱烈なオファーを受け、新規参入の楽天へ入団した。田尾監督の下では打撃をイチからつくり直し、野村克也監督からは配球面、打席での考え方を学ぶと打棒が復活。07年には39歳にして43本塁打、108打点と2冠に輝いた。「配球を読む打撃スタイル」はその後も威力を発揮し、09年は39本塁打、107打点。主砲として球団初の2位進出に貢献した。最後は中日に復帰し、通算27年の現役生活で403本塁打。うち、楽天在籍7年間で架けたアーチは約半数の191本。仙台の地で、野球人生を一変させた。
近鉄・中村紀洋 「いてまえ打線」の象徴的存在
【球団在籍時成績】13年=1383試合、1294安打、307本塁打、916打点、打率.267 左足を開いたオープンスタンスにバットを上段に掲げてヘッドを投手側に倒した独特の構えから、足を大きく上げてタイミングを取る。打ったあとにバットを放り投げるフォロースルーが代名詞だった。手首を柔らかく使いバットコントロールも絶妙。長距離砲だったが広角に打ち分け、ミート能力も高い。同じ右打者の落合博満にあこがれ、VHSのビデオテープが擦り切れるほど何万回も落合の打撃フォームを見て研究した。フルスイングから放たれる打球は強烈。優勝した2001年9月24日の西武戦(大阪ドーム)で、9回にライバルの松坂大輔から右翼席へ逆転サヨナラ2ランを放った一撃は印象深い。今は亡き近鉄「いてまえ打線」の象徴的存在だった。
週刊ベースボール