「落ち込んでいるし悲しい」21年全米女王ラドゥカヌが初戦で敗れ涙の会見。「もう一度計画を練り直す」<SMASH>
現在開催中のテニス四大大会「全米オープン」の女子シングルスで初戦敗退を喫した元世界ランク10位のエマ・ラドゥカヌ(イギリス/現72位)が、試合後の記者会見で悔し涙を流しながら敗戦の弁を述べた。 【動画】全米オープン1回戦、ラドゥカヌ対ケニンのフルセットの激闘ハイライト 大会2日目の現地8月27日に行なわれた1回戦でラドゥカヌは、2020年全豪オープン覇者で元世界4位のソフィア・ケニン(アメリカ/現54位)と対戦。ケニンの前後に揺さぶる攻撃に翻弄されて第1セットをあっさりと落としたラドゥカヌだったが、第2セットはアンフォーストエラーをわずか4本に抑えるなど挽回し、3度のブレークを奪ってセットオールに持ち込んだ。 しかしファイナルセットではケニンのアグレッシブなプレーに苦戦。第5ゲームで痛恨のサービスダウンを喫すと、その後はブレークバックできず、1-6、6-3、4-6で敗退となった。 ラドゥカヌと言えば当時18歳で出場した21年全米で、予選から怒涛の快進撃を見せて四大大会初優勝を成し遂げたことが印象的だが、以降の全米では22年、今回と初戦敗退で白星がない(昨年はケガで欠場)。またしても思い出の舞台で結果を残せなかった21歳は涙を拭いながら「落ち込んでいるし、悲しい。もちろん、この大会ではいい成績を残したいから…」とコメント。 それでも決して調子が良いとは言えない中で対抗できた部分はあったと振り返る。勝者を素直に称えつつ、こう続けた。 「第1セットは完全に相手に圧倒されてしまったけど、そこからよく追いつけたとは思う。ファイナルセットは互いにかなりハイレベルなテニスだった。彼女(ケニン)のショットスピードやペースに対処するという自分のプレーの特定の部分は、以前の試合よりもうまくやれたと思う。非常に調子の良い相手と対戦したけど、彼女は本当にいいプレーをしたわ」 ちなみにラドゥカヌが前哨戦として出場したのは7月末に開かれた「ムバダラ・シティDCオープン」(アメリカ・ワシントンDC/WTA500)の1大会のみ。今回の敗戦を受け、全米開幕までにもう少し試合数を重ねるべきだったと後悔の念を口にした。 「今日の試合はスタートがちょっと遅かったかもしれない。全米に出場する前に、もう少しプレーしたかった。事前に試合をたくさんこなすと、他の選手と同じように、本当に気分が良くなって、全てが自然に進んでいるように感じる。だから、そこから学べることがあると思うし、今後はスケジュール管理の仕方も変えていけると思う」 そして最後には今後に向け、プレーの改善を図る意欲を示した。「もう一度計画を練り直した上で練習しようと思う。どこで失敗したかを分析し、残りのシーズンに向けて改善できるよう努めたい。確かに今年の四大大会は全て終わったけど、全豪オープンの開幕まではそれほど時間は長くない」 この悔しさをバネに、ラドゥカヌの完全復活を期待したいところ。今季の残りの大会でどんなプレーを見せてくれるか注目しよう。 文●中村光佑