破産開始後の異例な民事再生

船井電機の本社

　10月24日に東京地裁より破産開始決定を受けている船井電機（株）（大東市）に対して12月2日、東京地裁へ民事再生法の適用を申請する書類が提出された。申請代理人は北出貴志弁護士（弁護士法人原田国際法律事務所東京京橋事務所、東京都中央区京橋2-8-1）。 　負債総額は約461億5900万円（破産開始決定時点）。 　親会社の旧：船井電機（株）（現：FUNAI　GROUP（株）、登記上本店：東京都千代田区）の不動産に関する事業を除くすべての事業に関する権利義務を吸収分割によって設立。AV家電の中堅メーカーとして「FUNAI」ブランドで比較的リーズナブルな価格帯の液晶テレビなどを供給。大手家電量販店などに販路を構築し、2024年3月期には売上高434億500万円をあげていた。しかし、2023年に親会社が買収した脱毛サロン運営のミュゼプラチナム（株）（現商号：（株）MIT）の広告会社に対する多額の未払金につき、親会社が連帯保証していたことで当社株式に対し仮差押決定の受けたほか、次々に信用不安情報が発覚。10月3日には9月27日付の上田智一氏退任と代表取締役会長原田義昭氏をはじめ新経営体制発足が発表（登記は11月14日）されていたが10月24日、一部取締役が準自己破産を申請し同日、開始決定を受けていた。その後は、新経営陣などによる破産開始決定の取消を求める東京高裁への即時抗告がなされていたなか、東京地裁に民事再生法の適用を申請したことを明らかにした。 ※船井電機（株）（TSR企業コード：697425274、法人番号：3122001036719、大東市中垣内7－7－1、設立2023（令和5）年2月、資本金313億1260万7960円） ※旧：船井電機（株）（現：FUNAI　GROUP（株）、前商号：船井電機・ホールディングス（株）、TSR企業コード：570182948、法人番号：2122001015871、登記上本店：東京都千代田区） ※ミュゼプラチナム（株）（現商号：（株）MIT、TSR企業コード：300036639、法人番号：3011001092832）