スウェーデンが国名を「商標登録」する理由 世界には同名の場所がいくつも存在する
間違えて他の「スウェーデン」に行ってしまった旅行者が実際にいる
スウェーデンの公式観光機関であるVisit Sweeden(ビジット・スウェーデン)のスサンネ・アンデション最高経営責任者(CEO)は、次のように語っている。「他の場所がスウェーデンと呼ばれたいと思っていることはいれしいのですが、スウェーデンは1つだけであってほしいと私たちは思っています。私たちのスウェーデンです。湖、島々、森林、そして世界最高の組み立て家具のある国です」 これを、観光客を呼び集めるための宣伝戦略に過ぎないと見る他国の皮肉屋もいるかもしれないが、スウェーデン観光局は自分たちの懸念を裏づけるために行った調査結果があると主張する。不幸な旅行者はスウェーデンで休暇を過ごすために予約を入れたのに、違う場所行きの飛行機に乗って違うスウェーデンに行き、同じ名前の土地に到着したもののスカンジナビアの魅力を一切体験できなかったという結果になるかもしれないのだ。 このような懸念には前例がないというわけではない。休暇を楽しもうとする人が同じような不運に見舞われたという話はたくさんある。カナダのエドモントンに行こうとして北ロンドンのエドモントンに着いてしまった旅行者とか、フランス北部の都市リールを目指すサッカーファンがベルギー北部アントウェルペン州にある基礎自治体のリールに到着してしまったために目当ての試合を観戦できなかったとか、さまざまな例がある。 世界には28の「ロンドン」数十もの「アメリカ」があり、米国内だけでも15の「ノルウェー」という町があることを考えると、スウェーデンがまったく新しい商標登録の流行を作り出す可能性がある。そうならないことを願いたいが。 もし、「本当のスウェーデン」に行けたら、コーヒーに大変よく合う「Kanelbulle(カネルブッレ)」と呼ばれるシナモン風味の菓子パン(スウェーデン風シナモンロール)を忘れずに食べてみてほしい。
Duncan Madden