バイエルンSD、エンバペのフリー移籍に苦言「それで儲かるのは選手や代理人だけ…クラブ間で金が回らなくなっている」
バイエルン・ミュンヘンのマックス・エーベルSD(スポーツダイレクター)が、FWキリアン・エンバペがフリーでレアル・マドリーに移籍したことについて、苦言を呈している。 エンバペ受賞の可能性はある?バロンドール2024パワーランキング レアル・マドリーは先にエンバペの獲得を発表。フランス代表FWはPSGとの契約が切れる状況だったために1億ユーロは優に超えるはずだった移籍金を支払う必要はなく、同選手および代理人を務める家族に支払われる移籍ボーナスだけが獲得費用になるとみられる(スペイン『マルカ』などの報道では、マドリーは昨夏にエンバペ獲得を実現しようとしても、移籍金と移籍ボーナスの両方を工面する必要があるために“非現実的なオペレーション”と捉えていたという)。 そして、この移籍に苦言を呈したのがエーベルSDだった。ドイツ『ズートドイチェ・ツァイトゥング』とのインタビューに応じた同SDは中東資本の流入、それに伴う移籍金の高騰、そして今回のエンバペのフリー移籍を受けて、フットボール界の経済の流れが滞り始めていると警鐘を鳴らしている。 「金に貪欲になることはできる。しかしね、全員がどんどんと貪欲になっていけば、私たちはフットボールの棺に打たれる釘になってしまうんだよ。すべての金が市場から流れ出てしまえば、ビジネスをやろうとしても何も残っていない。現在、私たちが話題に挙げているのは何百億ユーロという額だ。あまりに巨額だし、いつか破裂することになるだろう」 「現在、フットボールの市場からは金が流れ出ている。この状況の恩恵を受けるクラブはいない。選手たち、家族、代理人は利益を受けられるだろうが、クラブはノーだ。過去にはクラブも利益を得ていたのだがね。金はサイクルの一部だったが、現在はその額が減りつつある」 エーベルSDはその一方で、バイエルンがスポーツと財政の両面で成功を収められるよう、意欲を燃やしている。 「このクラブではリーグ戦を5位で終えても誰も拍手を送ってくれない。たとえ収入を増やしたとしてもね。私は財政だけでなくスポーツ面でも成功を収めたい。スポーツ部門の責任者として両面で成功を収めるというジレンマは、いつでも抱えているよ」