【MotoGP】シート喪失ジャック・ミラー、KTMの不誠実な態度に驚き「ファミリーの一員として留めたいと言っていたのに」
2025年シーズンに向けたMotoGPの各チームのシートは急速に決まりつつある。その中で現在”無職”予定となっているのがジャック・ミラーだが、彼はKTM側の不誠実な態度を暴露して不満を示している。 【ギャラリー】MotoGP第8戦オランダGP 厳選写真 ミラーは2023年シーズンにKTMへ2年契約で加入した。ただ2024年にデビューしたペドロ・アコスタ(GASGAS)が素晴らしいパフォーマンスを見せたことで、序盤からシートが危ういと言われるようになった。 そして予想通り、KTMは早々にアコスタのファクトリーチーム昇格を発表。この時点ではミラーにはアコスタと入れ替わる形でテック3(GASGAS)に移籍し、KTMに残ることが可能だと見られていた。 ただテック3は、6月中旬にエネア・バスティアニーニとマーベリック・ビニャーレスを起用することが発表された。これでミラーはKTM陣営に残ることは不可能となってしまった。 しかしミラーによるとKTM側はミラーを残留させる意向を示していて、他チームとも接触しないように伝えられていたという。にもかかわらず早々にKTMでの可能性が無くなってしまい、ミラーはこの事態を腹に据えかねているようだ。 「驚いたよ。だって僕が最後に聞いたのは『我々は君をこの“ファミリー”の一員として留めたいと思っているから、誰とも話さないでくれ』だったんだ。それなのにプレスリリースが出る3時間前に、契約は結ばないという電話が来たんだ」 ミラーはオランダGPの木曜日にそう語った。 「だからまあ驚いたよ。控えめに言ってね。でもこれが現実だ。ただ彼らにも言ったけど、僕はこのプロジェクトに2年だけいて出ていくために参加したわけじゃないんだ」 「僕はおそらくグリッド上で最も競争力のあるバイク(ドゥカティ)から、ここに僕の知識を持ち込もうとしてきた」 「そして昨年、バイクを一定のレベルまで改善することができたのは、大きなプラスだったと思う」 KTM陣営でのシート確保ができなくなったミラーは、外部でのチャンスを探すことになる。そこにはグレシーニやホンダ、来年はヤマハ陣営となるプラマックなどが可能性として挙げられている。 ミラーは今後の考えを次のように語っている。 「今は何よりも話し合いだ」 「自分が何を望んでいるのか、そのプロジェクトが何をもたらしてくれるのかを検討している。ドゥカティ陣営は間違いなく興味深いよ。バイクのことは良く知っているし、その構造も分かっているからね」 「(ドゥカティの)バイクに戻ったら、すぐにトップ5に戻れるだろうことは間違いない。でも2027年(新レギュレーション導入)にはMotoGPで多くの変化があるし、素晴らしいMotoGPキャリア終盤の期間を過ごすための、共通の目標に向かって取り組む長期的なホームを探しているんだ。それは僕らが(KTMで)備えているものだったと思うんだけど、そうじゃなかった」 「だからそれは検討しなくちゃいけないことのひとつだ。銀行にお金はあるから、僕は幸運だしそこは問題じゃないんだ。僕のキャリアに望むことが問題なんだ」 なおミラーはテストライダーを引き受ける可能性については、こう付け加えた。 「今のところ、僕は自分をテストライダーとは考えてはいないから、そこに身を置くことはできない」 「僕はMotoGPをとても楽しんでいて、レースが大好きだ。テストのことはあまり好きではないんだ。もちろん、目標に向けて努力しているから、楽しんでいるけどね」 「ただバイクに乗ってぐるぐる周回するだけというのは、ワクワクしないんだ。コースに出て、他の22台と競うことが僕のやりたいことだ。将来のことは分からないけど、僕がやりたいのはレースだ」
Lewis Duncan