孫正義がカチン「何を考えとんのか、お前は!」→弟に伝授した「不思議な割り算」がめっちゃ参考になる
さらに1時間かかるところを10分ぐらいでやってのける。それができるかどうかを考える。 その計画を実行していく場合も孫はきわめて緻密である。 新たに受験勉強に取りかかった泰蔵は、計画表の進行状況を正義に見せた。緑色は計画どおりに進んだところ。怠けてしまったところは赤色、途中までのところは黄色で印をつけた。泰蔵は1日18時間勉強した。 兄の正義がホーリー・ネームズ・カレッジやバークレー時代、寝るとき以外はすべての時間を勉強に注ぎ込んだことを泰蔵は知っていた。 ● 順調と思えた弟の計画表 孫は「分かっていない」と一喝 (兄貴に負けんぞ) 泰蔵は猛勉強した。はじめのうちこそ赤色か黄色のところが多かったが、次第に緑色が増えてきた。 泰蔵は、その進行表を兄に見せた。 一瞥した兄は弟を叱った。 「おまえは勉強というのがわかっていない」 今度こそ、ほめられこそすれ、叱られることはないといささか自信を持っていた泰蔵は眼を白黒させた。そもそも兄に一喝された理由がわからない。 「いいか。黄色が問題なんだぞ」 サボって赤色に塗ってある箇所は問題にしなかった。人間誰しもいつも完璧とは限らない。できないときもある。
緑色の部分は、そもそも予備日をつくってあるのだから、計画どおりできて当然である。 むしろ、途中までしかできなかった黄色の部分が重要なのだ。どうしてできなかったのか。実際にはどこまでできたのか。 課題をはっきりさせることが勉強なのである。問題はあくまで結果。ということは、最終的にすべてを完了する計画を立てるべきなのだ。 泰蔵は、兄の言葉にうなずいた。 計画をコントロールできるようになった泰蔵の成績は、みるみる上がっていった。 超難関の東京大学経済学部に入学できた。 ● スーパーマリオからも 経営哲学をくみ取った これが孫正義のすごさである。今日も孫は1日を5分単位のスケジュールで動いている。 商才にすぐれた父と、情に厚い母に育てられてきた泰蔵は、兄をまた深く尊敬している。 何億円もの単位のビジネスをする兄を見ていて、「すげえなあ」と思う。 スケールが違う。 とうてい兄には勝てないだろう。