F1の2026年レギュレーションが発表!機敏なマシンに「アクティブエアロ」と「マニュアル・オーバーライド」採用でレースはより白熱
MGU-H廃止&エンジン出力削減もトータルパフォーマンスは維持
2026年には新世代パワーユニットも導入される。 エンジンが生み出すパワーは現状の550~560kW≒748~761PSから、400kW≒544PSまで削減される。また、熱エネルギーを回生するMGU-Hが廃止されるが、モーターの出力は現状の120kW≒163PSから300kW≒476PSと約3倍と大幅に強化。この結果、パワーユニット全体での性能は維持される。 また、燃料も100%持続可能なものへスイッチするほか、ブレーキング時に回生できるエネルギー量は、1周あたり8.5MJへと増加される。 新たな要素としては「マニュアル・オーバーライド・モード」が搭載される。これは、先行車が290km/hを超えるとデプロイメントが減少しはじめ、355km/hではゼロになる一方、後続車は337km/hまで「MGU-Kオーバーライド」の350kWと0.5MJの追加パワーが得られるというシステムで、オーバーテイクの機会を増加させるものだ。 2026年からのパワーユニットマニュファクチャラーは、F1復帰を果たすホンダをはじめ、フェラーリ、メルセデス、ルノー、アウディ、レッドブル・パワートレインズの6社となる。
2026年はコース上のバトルが激化へ
FIAのシングルシーター・テクニカルディレクターを務めるニコラス・トンバジスは2026年の技術規定について「小型化と30kgの軽量化に成功し、よりダイナミックなマシンになった」とコメント。 「さらに、レースをよりエキサイティングにするふたつの新要素を導入する。ストレートでドラッグを大幅に低減するアクティブ・エアロダイナミクスと、先行車との距離が近づいた際にオンデマンドでバッテリーパワーを供給するマニュアル・オーバーライド・システムだ。2026年のF1マシンはより軽く、よりパワフルで、より乗り手の技量を重視したものとなり、ドライバーたちのバトルは接近したものになるとともに、チームの競争もより激化し、ショーとしても改善するだろう」 「さらに、持続可能なスポーツの未来に向けた取り組みの一環として、パワーユニットにおける電動コンポーネントの高出力化、マシン全体の高効率化、完全な持続可能燃料を選択したのだ」 2026年のテクニカルレギュレーションは、6月28日に行われる世界モータースポーツ評議会を経て正式に承認される。
MotorFan編集部